Dream Deliverer
夢を配るには、覚悟が必要だった。
ユメノセカイは私の
あげたいユメを配りゆく
ユメノセカイは私の
幸福不幸を配りゆく
ユメノセカイのあなたには
毎日毎晩会うけれど
ユメノセカイの住人は
現のあなたに会えはせぬ
もし私に会う時は
ユメノナカだとわかるだろう
もし私に会ったなら
「久しぶり」とは言えぬだろう
もし私に会ったとしても
あなたにとっては「はじめまして」
そう、毎日毎晩が「はじめまして」
私が配りはじめた頃は、その事実は辛かったと、記憶している。今となってはもうどうにもならないと分かってはいるけれど。
今日あなたに会った私は、きっと明日にはまたはじめましてと言われるだろうさ。
それでも、もし。もしも。万が一。
私を覚えていたのなら。
「ひさしぶり」
そう言ってほしいかな。
そんな事を思いながら、今日もまた。あなたやあなたにユメを配りにいく。
そんな私の名前は…。
雨空 雪乃です。
人が誰しも見る「夢」を題材にしてみました。
感想、よろしくお願い致します。