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踊れ その果てで*エデンの園  作者: 河野 る宇
◆第2章~修羅の中に
4/15

*交錯する感情

「戒が?」

 翼は、2日後に行われる余興に戒が参加すると聞き呆然とした。

 これが上手くいけば、戒の人気はさらに上昇するだろう。

「チッ、またあいつか」

真仁まひとのお気に入りだからな」

 他のハンターたちは、そんな戒が妬ましく口々に悪態を吐いた。

 だからといって、自分たちが彼に勝てるとは思えない──そんな意識が、ハンターたちから見え隠れしていた。

 ハンターたちに中にあって、戒の戦い方はかなり独特だといえる。

 俊敏かつ滑らかな動きは次の行動が読みづらく、出来るなら闘いたくない相手にハンターたちの中では位置づけられている。

 男たちの愚痴が飛び交うなか、翼だけはこうべを垂れて無言で床を見つめていた。

 組織を代表する形で戒が参加する。

 喜ばしい事ではあるが、どうしてだが素直には喜べなかった。妬ましい訳でも、羨ましい訳でもない。

「お? お出ましだぜ」

「!」

 誰かの声で頭を上げると、戒の姿が見えて急くように立ち上がった。

「か、戒!」

 聞き慣れた声に視線を向ける、駆け寄る翼に少し眉間にしわを寄せた。

「なんで受けたの?」

 問いかける青年の表情は険しい。

「仕方がない。俺たちは雇われだ」

 押し殺して発した。

 翼を守りたかった訳じゃない。しかし、この余興に翼は不向きだと感じたのは確かだ。

「そか……そうだよね」

 納得しきれない感情が顔に表れているが、無理矢理に納得するように目を伏せた。

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