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聖女と僕のやりすぎお忍び冒険譚  作者: グーグー


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55/56

55.一日で10階層まで

 ***寛太***


『ダンジョンは成長する』そう言われ続けてきたが、実際に体験したという者には会ったことがないbyピート。


 数百年に一度、階層が増えるという成長の仕方なら無理もなかろうbyカケル様。


 湖のそばのダンジョンは階層が増えるだけじゃなく、百年ごとに階層ボスが代わるから、たまに顔を出すと楽しめるbyアクセルさん。


 それぞれの立ち位置からダンジョンを説明してくれる。もちろんアクセルさんの説明は蛇足だけれども。


「ダンジョン。凄いね~。僕ずっと結界に何かがぶつかっている音がしてるよ。普通の冒険者はこれを避けながら進んでいるんだよね」

 光太はのんびり感想を言っている。その横でピートは高速移動をシュッシュと使って弓や石礫を避けている。

「リーダーも初期の結界は張っているんだから、これくらいはぶつかりながら進んでも平気よ」

 柚子はそう言っているが、今まで避けて来たんだから反射で動いているに違いない。


「初期の結界?」渉が聞く。

「そうなの。結界の第一バージョンって感じかな。その後バージョンアップしているんだけど、リーダーは冒険者としての危機感が薄れるのが怖いって言うのよ。だから即死級のダメージ回避だけ付けて結界自体は初期のものなの。カケル様と実験したけど、ドラゴンブレス的なものは防げないのよ」

「ドラゴンブレス!俺たちの結界は最新版?ブレス防げるの?」

「聖獣様、なんと恐ろしいものを人にお与えになったのですか!?」

 渉の興奮にかぶせるように、アクセルが抗議した。


「ワシが与えた訳ではないでのぉ。柚子が勝手に作っておったのじゃ。ワシは強度実験に協力しただけじゃ」

「ドラゴンの威厳が……」

 途方に暮れたアクセルに、声をかけた。

「大丈夫、こんなこと出来るのはユズだけだから」

 なぐさめになったかどうかは分からないが……。


 さて、ダンジョンの10階層までやって来た。

 誰がボスを倒すかで、じゃんけんをしたくらいで、それ以外は問題と言う程の問題もなくここまで来た。

「御貴族様のレベル上げはこの辺りまでです。これより下は、冒険者がドロップ品の為に命を張ってますから、救援要請が無い限り決して魔物を横から倒すようなことをしてはいけません」

 ピートが、特にリオに向かって話しているのは、最初の1階層でやらかしたからだ。

「はい!」勢いよく手を上げて真剣に聞いているリオは可愛い。


「ボスの間の扉の前に待機しているパーティーがあれば順番に入って行くことになりますが、部屋の中で救援の声が聞こえたら、待機の順番の前後関係なく、その場にいる全員で救助に向かいます」

「そんな注意が必要なほど、急にボスが強くなるの!?」

「誰も待機して無かったら全滅ってこと!?」

 僕と光太の声が被った。

「そうです。強くなるし、賢くなります。今まで力技で押してきていたタイプの魔物の進化版が出てきて、さらに複数体で連携を取ったりします。後方支援がメインの非戦闘員から狙い撃ちしてきたりするからやっかいだと聞いています」

「聞いていますって?リーダーは、あ、そっか、ソロの冒険者だった」

 普通にめっちゃ強いんだよなぁ。ピートはソロでここの最下層21階を踏破しているらしい。


 10階層のボス部屋の前で1チーム待機していたので、あきらめて引き返したように見せかけて、見えない場所で、キャビンを出した。

 キャビンに入って、透明化魔法をかける。今日はとりあえずここまでだ。スーパー銭湯でのんびり寛ごう。

「念の為、外の音は遮断しないようにしておくわね。救援要請があるかもしれないんでしょう?」

「そうですね。声が聞こえるようにしておくのがいいですね。キャビンを小さくして浮かせておくと、他の冒険者の邪魔にならなくていいかと思いますよ」

 柚子とピートがそんな話をしていると、渉が質問した。

「外はもう夕方くらいだろう?あの人たち、この時間からボス戦なんてやって大丈夫なの?怪我の治療が心配だから早朝に出発するとかって言っていたはずじゃなかった?」と。

「この辺りまでくる冒険者は泊まりですよ。ですから、治療の準備まで万端のはずです。そもそも昼近くにダンジョン入りして、夕方に10階層にいるのが常識外れですから。普通は一日かけて5階層くらいです。まれにダンジョンの気まぐれの隠し部屋で、過去の自分の最高深部階まで滑り台で降りるという恐怖のシステムが発動しますけどね。それは例外でしょう」

「それ何、楽しそう!滑り台が突然でてくるの?」

「そうです。私だと、21階層分の恐ろしく長い滑り台があらわれます」

 渉と違って、僕はその高さを想像して、ブルっと震えた。

「怖い。絶対怖いよ」

「そうですね」

「ねえ、リーダー。僕らはダンジョン初めてだけど、リーダーの滑り台が現れたら一緒に行けるの?リーダーだけしか使えないの?」

 光太も興味があるようだ。現れたら一緒に行きましょうと言われて喜んでいる。

 一歩一歩堅実に進もうよ。突然21階層に行けるって言われても、お断りしようよ~。


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