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聖女と僕のやりすぎお忍び冒険譚  作者: グーグー


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52/61

52.ブラックアウト

 ***寛太***


 お母さんの暴走を抑えて買い物は無事終了した。

 柚子の一家とも合流して、それぞれの買い物の成果を話しながら、にぎやかに宿に帰還した。

 僕は常識的な量の普段着をピートにプレゼントできそうだと達成感に浸っていた。

 そして、部屋に入った瞬間に目にしたのは、ピートが剣を手のひらにブッ刺しているホラーな場面だった。

 頭の真上からサーっという音がしている気がしたと思ったら、僕の世界は暗転した。


 ***柚子***


 ドサっという音がしたかと思うとかんちゃんが倒れていた。

 なんで?結界は?どこから攻撃されたの!?

「大丈夫。きっと脳貧血かなにかだよ。ちょっと刺激の強い物を見ちゃったからね」

 光太がそう言って視線をピートに誘導する。

「あ、あ~なるほど。剣の収納の練習をしてたのね。リーダー、かんちゃんに見えない場所で練習してよ。危険がせまっているときは仕方ないけど、平時には見せたくないわ」

「すまぬ、すまぬ。ワシが新しい出し入れの仕方を研究しようといってのぉ。手伝わせておったら時間が経ってしもうておった。もう帰ってくる時分になっておったか?」

「気をつけてよね!で?新しい出し入れって?」


 竹田一家がかんちゃんを大切そうに寝室に運んで行くのを見て出番なしだと思い、カケル様と話をするべく問いかけた。

「まあ、今のを見ても分かるが、剣の手のひら収納は入れる時が特に刺激が強かろう。特に寛太にはのぅ。で、じゃ、剣を収納しようと思った瞬間に瞬間移動の要領で手の中に収まるようにしようと思うてのぉ。なかなか難しくてのぉ。半分入った段階で効果が切れてしもうて血だらけになってしもうた。治療して一息入れて再会したところじゃて」


 なんてことを。かんちゃんが見たのがその場面じゃなくて本当に良かった。

「わっち、床、クリーンした!」

 リオが褒めて褒めてとばかりに頭を差し出してくるのを撫でながら、床にクリーンが必要なほど、流血したのかと恐ろしくなって、ピートに声をかけた。

「リーダー大丈夫?危険な実験なら自分の体でやれって言ってやればいいのよ」

「はあ、ですが、このくらいの刃物ではカケル様は傷つかないようでして、危険があるかないか実証できぬとおっしゃって」

「そうじゃぞ。それに柚子は自分で真っ先にやっておったであろう?」

 まあそういわれればそうだけど。

「自分でやるのと、やらされるのは違うの!」

 なんとも締まらない説教になってしまった。


 ***寛太***


 目を開けると、家族が心配そうにのぞき込んでいた。

「あ……心配かけたね。ごめんフラッとなった気がする」

「うん。びっくりしたよ。刃物突き刺さるところみちゃったからかな?心配だな。明日帰らなきゃいけないのに」

 お父さんの表情が暗い。

 いろいろあったけど、楽しい旅行だったのに、最終日に倒れちゃうなんて。心配するなと言う方が無理だろう。

「……」

 なにも言うべき言葉が見当たらない。このありさまを見られたら大丈夫だとも言い難い。


「お母さん、お父さん。僕、頑張るから。今すぐは無理でも、ちゃんと克服して冒険者になって、柚子に守られてばっかりをちょっとは卒業して、頼もしく生きていくから。だから、ごめん。心配ばっかりだろうけど、見守ってて」

 お母さんは、何も言わずに抱きしめてくれた。


「光太、明日からは僕たちがいないからって無茶しちゃだめだよ。寛太を頼んだよ」

 お父さんはこの後、保護者抜きではっちゃけるであろう長男にくぎを刺した。

「渉じゃあるまいし、大丈夫だよ。任せて」

 そう言った光太の左の口角は上がっていた。やましい事がある時の癖なのだ。こうたちゃん……バレバレなんだよなぁ。


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