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聖女と僕のやりすぎお忍び冒険譚  作者: グーグー


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40/58

40.ユドンの噂

 ***寛太***


 はしゃぐだけはしゃいで、大いに楽しんだ。

 男だけの時間って必要なのかもしれない。こんなことを考えるだけでも男女間に差別を無くせとかって叫ばれるのだろうか。

 でも、きっと男って生き物は女性の前ではちょっと格好つけたいものだし、気楽に馬鹿なことが出来るのはいいものだ。

 あ、でもよく考えれば僕って柚子がいても、いい格好つけなんてしてないかな?怒られるのが嫌なだけだったりして……。


 渉兄ちゃんのアイデアで、カケル様に空間拡張したままのキャビンを高速で飛ばしてもらった時は、やりすぎだったから、あれは柚子の雷を落としてもらって構わないな。

 その実験のおかげで、風による揺れを無効にするために外側に結界を張ることを思いついたから良しとしよう。揺れもなくスムーズな運航となった。遠心力はかかるので、そこだけ気を付ければ完璧だ。

「ついでに透明化とかできないの?そうすれば、ギリギリまで空から町に近づけるんじゃない?町の入り口までいけたら馬車要らなくなるかもよ」

 光太は素晴らしいアイデアを提供してくれた。

「透明化かのぉ。他者の目を気にせず、物を見ることは出来るが、それが透明化というものかのぅ?」

「多分それじゃない?カケル様やってみて!」


 ……。う~ん。どうやら違うようだ。カケル様に触れもしなくなった。

 戻ってもらってよくよく話を聞くと、ちんぷんかんぷんだった。が、雰囲気は、別次元に姿を潜らせて、視線だけで世界を俯瞰しているような感じみたいだ。

 流石に聖獣様。スケールが違う。

「リオ、お主も出来るであろう?出来ねば練習せねばのぅ。ププカの推薦人が大聖堂の者たちから尋問されるのを共に見学するのであろう?」

「にいたま、わっち、だいじょぶ。びゅーんって、とんで、じーってみるの。できる!」

「リオ、ちょっとやってみるがいい」

「あい!」


 キャビンを突き破って、空高く飛んでいった。

「……。補修はワシがするでの……」

 当然です。


 リオが戻ってくる。

「かんたも、みんな、みえた!」得意そうに胸をはって報告してくる。可愛い。

「リオ……。ビューンとしなくても、その場で見ることが出来るようにならなければ連れてはいけぬぞ。練習しておくようにの。外でじゃ!」

 リオを追い出して、補修を始める聖獣様の背に哀愁を感じる。子育て、いや弟育ては大変そうだ。


 そんなこんなで楽しい一日を過ごしてキャビンのスーパー銭湯でくつろいでいると、女性陣がユドンから帰ってきた。

「かんちゃん!最低よ!温泉の町ユドンでも、聖女は最悪って噂が流れていたわ!どうやら、ユドンの教会の司教がププカの司祭の知り合いだったようで、遠距離通信で情報を受けたって。それを横で聞いていた末端の聖職者が町に広めているんだって!」

「私は単独でユドン司教に会ってまいりましたが、ご自身はいたってまともな方で、何度も噂を否定してくださったようなのですが……」

「悪い噂は速いのね。柚子から経緯は聞いたわ。今後の作戦もね。私たちも何かできることがあるといいのだけど」

 桃子さんは僕に向かって尋ねた。僕は簡単に男性陣にも経緯を説明した。

「という訳で、今は本当に、待つだけのターンなんです。リーダー、大聖堂の様子はどうですか?」

「はい、迅速に行動をしてくださったようで、明日、推薦人へ召喚状を出す手筈とのことです」


「キャビンの透明化!本気で頑張ってみない?みんなで覗きに行きたくない?」

 光太は先ほどの透明化のアイデアの使い時にワクワクしている。

 空間拡張の時のチームに魔法のことは任せて、それ以外のメンバーは夕飯の支度をしながら、今後のことを話し合った。

「うちの柚子にレッテルを貼るとはなぁ。昔柚子が酷い噂を流された時は、知り合いの方がみんな応援してくれたなぁ」

「それはそうよ。ゆずちゃんは悪くなかったもの!」

 両親たちは思い出話に話が流れがちになる。


「寛太様、実際問題、ユドンはかなり悪い噂が広がっています」

 ピートが小声で報告してくれる。

「あのような噂を聞きながらでは、せっかくの旅行が台無しになるのでないでしょうか?ププカの悪評が広まり、柚子様の悪い噂が消されるのを待っていてはご両親がお帰りになってしまうのでは?」

「そんなにひどいのかぁ。遠距離通信を使って悪評を撒くとは予想外だったからなぁ。ププカとユドンは王都を経由しないと行けないルートだし、メインの街道からは外れているし、ユドンは平和だと思ってたよ」

「私も、予想外でした。神聖な遠距離通信で聖女様を貶める噂を流す聖職者がいるなどとは……。私は大して信心深くない、新参の教会護衛兵ですが、それでも引くほどの行為ですよ」


 すぐに反省すれば、大事にはならなかったかもしれないのに、自分で傷を広げまくっているププカの司祭は、いったいなにがやりたいのだろう?どう考えたって、まともな聖職者は『聖女様側』につくだろうに。

 だって、この世界の為に祠に魔力を注ぐ唯一の存在だよ。神に選ばれたね。

 今代の聖女が、大人しい儚げな聖女様だったらワンチャン見逃されていたのか?

 残念。柚子でした。


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