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聖女と僕のやりすぎお忍び冒険譚  作者: グーグー


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34/57

34.トラブルメーカー

 ***寛太***


 いつも魔法実験をする場所に到着した。柚子と光太ちゃんと渉兄ちゃん、それにカケル様はキャビンの魔改造に目を輝かして取り組んでいる。

 僕はリオと一緒に両親たちの接待だ。

 ランド町で、あちらに行きたい、こちらに行きたいと引っ張り回されたので、もうすでに疲れていた。

 リオを可愛い可愛いと撫でまわしているので、時間が潰せている。これでも楽なんだろう。リオがいてくれて本当によかった。


 もう一生直接には会えない、触れ合うこともないと思っていた家族との再会だ。これ以上ないほど、嬉しいし、感激もした。が、実際、一緒にいると数時間でお腹がいっぱいになった。薄情者でごめんなさい。

 母とおばさんコンビのテンションは昔から僕の波長にあっていないし。ユズが加わると更に手に負えなくなるのに、これから二週間も共に旅をするのだ。はぁ。


 リオの活躍に大いに期待したいが、すでに、撫でられるのに飽きたのか、

「にいたま、わっちも、わっちも、まかいぞう!」と飛んで行きたそうにしている。

 ため息をつく思いで、リオを開放してやり、僕は一手に両親たちを引き受けた。

 ピートさんは僕の後ろで直立不動だ。護衛の存在をアピールして両親に安心してもらおうという考えらしい。

 父たちをつれてランド名物ラビのウサギ型の魔物、一角獣ラビでも狩ってきてくれていいんだけどなぁ。腕輪もあるんだし……。


 家族たちの腕には柚子が冒険者腕輪をまねて作った腕輪がはまっている。結界魔法がかけてある、ピートに言わせれば国宝級の代物だ。

 僕のアップデートされた腕輪と違って、防御のみで、反撃機能はないらしい。

「かんちゃんと違って、二週間の旅行中に人から悪意を向けられるような事態にはならないでしょうからね。それに魔物討伐やってみたいってなった時に、反撃がついていたら楽しくないでしょう?」

 だそうだ。理由はちゃんとあったみたい。


 僕の『反撃機能』は歩いているだけで討伐が完了するほどの仕様らしい。試すためにも一度ラビくらいなら突っ込んでいってみてもいいかな。ワームに並ぶ弱小魔物らしいから。


「ねえ、お父さんたち。待っている間に、ちっちゃなウサギの魔物を討伐して、夕飯の材料にするとかやってみる?初心者用の弓を準備してあるよ」

「いいね!楽しそうだ。狩猟なんてしたことないから楽しみだなぁ」

「そうですね。折角許可だなんだと言われない世界に来たんですから。普段できないことを目一杯やってみましょう!」

 二人とも乗り気だ。

「あら、私も行きたいわ!」

 ユズのおばさんもやってみたいらしい。母はちょっと迷っているようだ。

「お母さん大丈夫だよ。結界があるから絶対に怪我はしないよ」

 そう言って安心させると、

「ゆずママが行くなら、行ってみるわ」

 挑戦してみるようだ。


 弓の使い方レクチャーは、当然ピートにお任せだ。

 僕は刃物恐怖症のことや、その経緯を含めて両親には内緒にしているので、あまりボロを出さないように、討伐の最中は遠くで見守ることにした。


 ***柚子***


【バーン】と音が響く。

「当たらないな~」「飛ばないわ~!」「うわぁ今のおしかった!」

 そんなほのぼのした声を遠くで聞きながら作業をしていたら、突然物騒な音がした。

 瞬時に手の甲をみたけれど、反応はない。かんちゃんは無事だ。守護の同盟は発動していない。

「ワシの攻撃で耐久試験をした結界に反撃機能までつけた腕輪を持たせておいて何を心配することがあるのか不思議じゃて」

「にいたま、こうげき、ちた?わっちもする!」

「そうか、それならリオは次の実験の時に攻撃役を任せてやるでのぉ」

 子犬と天使の物騒な会話は無視しよう。


 渉兄と光太ちゃんも、周囲を警戒している。

 両親とピートは見える範囲に居る。無事だ。

 あとはかんちゃんだけなのに、見当たらない。あの音はいったいなんだったのか?

「兄ちゃんズはパパたちを呼んでここでリーダーの指示に従ってて!私はかんちゃんを探してくる!」

 そう言い残して走り出す。草原で視界に入らない、かつ歩いて行ける場所はそうたくさんない。すぐに見つかるはず。


 でも、見つからなかった。目視だけでなく、かんちゃんのオーラを魔力で探る。

「どうして……?」

 訳が分からない。ひとまずキャビンの皆のところまで帰る。

「あり得ないわ。怪我もしていないはずなのにかんちゃんが返事をしてくれない。そんなに遠くに行く訳ないのに」

「柚子、結界があったら衝撃もこないの?結界の中で気を失っているとかは?」

「かんちゃんが異常事態になったら守護の魔法で即時回復するはずなの」

「声が届かない地下にいるとか?人さらいにあったとか?」

「攫われるときに袋をかぶせられて持ち上げられたら?攻撃されなかったら結界の反撃機能は使えないとか?」

「いや、それだったら、あの大きな音は何だったの?」

 皆がそれぞれ発言する。顔からは一様に血の気がない。


 前回の誘拐事件の教訓は何一つ生かせなかったというの!?


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