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聖女と僕のやりすぎお忍び冒険譚  作者: グーグー


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18/31

18.サイズ変換魔法

 ***寛太***


 大慌てで叫んだ柚子の気持ちはよくわかる。大人しく目を閉じて待っていると、

「もう開けていいわよ」

 柚子から許可がでる。ニコニコ笑っているところをみると、カケル様と僕とで完成させた、当たりさわりのないステータス画面は気に入ってもらえたようだ。

「見て!かんちゃん、私のステータスに【予知:不定期】ってあるのよ。すごくない!?予知夢とか見るのかしら?これから夢をみたら報告するべき?」

「なにそれ?すっごいね、さすがユズ!どうやって予知するかが分からないからなんとも言えないけど、どうなんだろうねぇ」

 う~ん。情報量を絞り過ぎたかな~。チラッとカケル様の方を見る。画面から顔を上げてこちらを見て、ニヤッと笑われた。子犬の凶悪な笑顔。器用なことだが、怖いよ。

 カケル様しか見られない画面にいったい何が書かれていたんだろう。

「柚子、夢は気にするでない。恐らくその時がくれば脳裏に映像が流れることになる、それで分かる。……であろうよ」

 カケル様仕様の画面をそのまま読んだであろう。ひどい棒読みで教えてくれた。


 柚子に、ステイタス絞り込んだのバレるのも時間の問題かな……。

 秘密を持つのには不安な相棒を見てため息しか出ない。


「さあ!早速かんちゃんの鑑定してもらいましょう!得意魔法なにかしらね!楽しみだわ!」

「そうじゃった、そうじゃった。寛太のであったのぅ。それではいくぞ!ステータスオープン!」


【寛太:異世界人:サイズ変換魔法】【魔力量:5】【守護し合う同盟:聖獣・聖女】【異世界との鏡通信】【刃物恐怖症】などなど


「うわ!かんちゃん!サイズ変換魔法ですって!無敵じゃない?」

「そうですね寛太様。巨大な魔物も小さくして踏みつぶせばいいのでは!?」

 二人は僕の為に大いに喜んでくれた。

「だけど、見てよ。魔力量5だよ。柚子が1000なのに」

「柚子様と比べてはいけません。歴代聖女のなかでも圧倒的な魔力量というだけでなく、人類史上最高値ではといわれていますから」

「あ、そうなの、そんなに。じゃあ、僕の5って普通くらい?」

「ピートも見てやろうのぉ。ステータスオープン!」


【ピート:聖女専任護衛:Aランク冒険者:高速移動魔法】【魔力量:11】【虹の架け橋リーダー】【勝負師】などなど


「魔力量11。やっぱり、かんちゃんの倍くらいあると思ったの。私の目は確かだったわ!」

 柚子は大威張りのドヤ顔だ。でも確かに凄い。柚子の目には魔力量がかなり正確に見えているということだろう。

「自分的には勝負師っていうのが気になります。私は、かけ事などはやったことがないのですが、やったほうが良いですかねぇ?」

 ピートは戸惑いながらカケル様に聞いている。

「いやなに、気にすることはなかろうよ。戦いにおいて、高速移動を使うタイミングだとて、勝負の勘であろう。良いタイミングで使えておるから、あっという間にAランクに昇格しておるのであろうよ」

 確かにそうかと、納得して、いよいよ僕の得意魔法の話だ。


「まず、やってみましょうよ。かんちゃん、あの石大きくしてみて」

「次は、あの岩を小さく!」

 実験を沢山やった。

 魔力が5しかないんじゃ、早々に魔力切れになりそうなものだけど、魔力はすぐに回復する。ただ5しかないので、満タンになったとて、それ程の大魔法がつかえるはずがない訳で……。


 結論!僕がサイズを変えられるのは馬車一台分くらいのサイズまで。持続時間は10分が精々。ただ、時間経過のない空間収納バッグに入れるとその限りではない。が、そもそもなんでも突っ込める収納バッグにわざわざコンパクトにして入れる意味もない。


「なんか、僕の魔法……、収納バッグを持っている時点で必要なくない?」

「そんなことないわ!最初に言ったでしょう、魔物、魔物を小さくしてやっつけるの。楽勝モードになるはずよ!」


 落ち込む僕を従えて、魔物を探す。ワームが出て来た。

「小さくな~れ!」と言って魔法を放つと、小さくなった。

 怖かったので極小サイズを想像して魔法を放って、見事成功だ。

 ただ、踏みつぶすのに勇気が要った。でも有害生物だと思えばなんとかなった。ミミズは放置できても毒のあるムカデは駆除一択っていうのと感覚は同じ。


 初めての自分だけの力で倒した魔物。感無量。

 ワームは元のサイズに戻ったので冒険者腕輪でギルドに送る。気分はすっかり一人前の冒険者だ!


 夜、光太ちゃんと渉兄ちゃんに報告をした。

「良かったね!これでちょっと安心したよ。寛太が安全になるって報告がなによりだよ」

 光太ちゃんは泣きそうなほど喜んでくれた。

「まあ、でも魔力5じゃあ、大型魔物には太刀打ちできないけどね」

 そう自嘲する僕に、渉兄ちゃんは、

「そんなことないんじゃない?生物の一部だけを小さく出来たりもする?片足を小さくされると歩きにくくなる、走れなくなる。かなり有効に使えるよ。少ない魔力でも使い方次第じゃないかなぁ。試してみる価値あるんじゃない?」

「そうだな。飛ぶヤツなんかは翼だけ小さくされたら墜落してくるだろうし」

 二人は沢山アドバイスをしてくれた。

 優しい二人には悪いが、そんな超大型魔物と接近するほど危険な場所には行く予定がないんだなぁ。

 それはそれで、安心だと、喜んでくれるだろう。


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