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聖女と僕のやりすぎお忍び冒険譚  作者: グーグー


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16/32

16.Eランク

 ***寛太***


 その後は、ギルドでワームの討伐報酬のポイントを確認して、腕輪の凄さに驚き。転送されたワームを解体した皮を受け取った。通常はギルドがまとめて、業者が何百枚単位で仕入れて素材として流通させるワームの皮も、初めての討伐の時は記念に持ち帰る用に丁寧に扱ってもらえるらしい。

「すごいなぁ。魔物の皮のプレゼント仕様か」

「そうね。でも、幼稚園で初めて描いた絵とかって、両親が大事にしまってるじゃない。そんな感じかもね」

「そっか、そっか。薬草採取中のEランクパーティーが遭遇する魔物ってことは、この世界では10歳くらいの子どもの初討伐になるんだね。そりゃ記念品だ。でも実際とどめを刺したのはリーダーだけどね」

 そう言って苦笑いする僕に、ピートは

「初遭遇、初冒険者腕輪使用記念ということでよろしいのでは?あとリーダー呼びはやはり少々恥ずかしいです。止めませんか?」と言う。

「パーティーリーダーをリーダーって呼んでいる人たち沢山いるよね、格好いいよね!ね、ユズもそう思うだろ!?」

 譲りたくないので少々熱くなりながら柚子を巻き込むぞと、顔を向けると、心底どうでもいい顔をしていた。だけど

「かんちゃんがそういうなら、そうしましょう。気分を上げて行くのも重要のはず……よね……。リーダー、頑張って慣れて」

「そうじゃそうじゃ、呼び方なんぞ、気にすることはなかろう。リーダー大いに結構じゃ。どう呼ばれようと初心者のお守りをするのじゃし、師匠と呼ばれるよりよかろうよ」

「……。カケル様の言う通りです。師匠よりはリーダーでお願いします」

 一件落着だ。カケル様、ナイスアシストです!


 柚子と僕は個人ランクをEランクにあげてもらった。

【虹の架け橋】のパーティーランクはそもそもEだったので、それに追い付いた形だ。

 ランクなんてどうでもいいと思っていたけど、上がるのは素直に嬉しい。腕輪の色が、SとAは金色に、BとCは銀色になるのでランクアップの喜びはひとしおらしい。

 残念ながら、D以下は銅色なのでランクアップしたことは見た目では周知されない。

 懐かしそうに目を細めながらピートが言う。

「子供たちはみな、Eランクになって外壁の外へ薬草採取にでかけるようになると自慢気に腕輪のEの刻印を見せびらかすんですよ」

「微笑ましいねぇ。気持ち分かるな。頑張ってC目指そうかな。色が変わるのって、なんか、憧れちゃうよ」

 そう言って、ピートの腕輪に視線を向けると、ピートが気づいてAランクの腕輪を見せてくれた。金ぴか!恰好いい!


 大聖堂で暮らしていた時はつけていなかった冒険者腕輪だ。代わりに聖職者の身分を示す紫の認識票を首から下げていたけど、それは、一般聖職者を表す一重丸の中にユリの紋様だった。断然Aランク腕輪のほうがいい。

 だけど、ビート曰く、

「聖職者の認識票をつけていれば、通行税無料ですし、宿や食堂も聖職者価格ですから。あれはあれで旅をするには便利なものだと言われますよ」とのことだった。

 なにそれ、ワーナー教会凄いな。


 翌日からは、沢山の薬草採取の依頼をこなし、下級の魔物を討伐しながら、僕の得意魔法探しをみんなで手伝ってくれた。

 だけど、水も出なけりゃ、火も出せない、光も生まず、風もおこせず、がっくりだ。ピートのアドバイスで高速移動も試したが、普通に走って遅い俺にユズは腹を抱えている。

 良くない。出来ないことを笑うなんて本当に良くない。いくら、笑っちゃうほど遅くてもだ!

 身体強化系も治癒系も全滅だった僕は途方に暮れた。折角魔力持ちになれたのに……。


「みんなはどうやって得意魔法を見つけてるの?細分化されまくっている魔法の中で、自分が使える魔法を見つけるなんて至難の業じゃない?」

 魔力が持てて希望に輝いていた僕も、さすがに弱音をはいた。

「う~ん、そうですね。普通は赤ん坊の頃に、泣き叫んでグズるときにその片鱗が表れて親が気づきます。そのころは魔力が少ない……じゃないですね、『使いこなせていない』ので大した被害はありません。水が出せる魔法ならちょっと周りを濡らすくらいです。あ~、でも火魔法や雷魔法の子は大変だと聞いたことがありますね」

「ちょっとの火でも火事になるものね」

「そうです。私の高速移動などはハイハイが出来るようになった時に気づいたと言われました。すぐにどこかに行ってしまう厄介な赤ん坊だったと、今でも親族が集まれば笑い話のネタにされます」

「逆にいうと、それまでは分からなんだというわけじゃのぉ」

「う~。先は長そうだね。僕、もう見つからない気がしてきたよ」

「その可能性はあるかもねぇ。だって、メジャーな魔法じゃなかったら試してみようとも思わない訳でしょう?駄々っ子になって泣き叫んでみる?理性をなくすほど駄々をこねれば、無意識に発動するかもしれないわ」

「17歳の男子高校生にハードルが高いこと言うね。ユズは鑑定魔法とか作れないの?それを作って僕を見てくれたら一発な気がする」

「鑑定魔法?」

「そう、【ステータスオープン!】って言ったら自分や相手のレベルやスキルが見えるって、あれだよ」

「HPやMPが見えるヤツね。ステータスオープン!」

「どう?見えた?だめか。じゃあ次【鑑定!】って言ってみて!」

「う~ん、ダメね。魔力やオーラは見えるのになぁ。カケル様は?私よりいろいろな事が見えているんでしょう?それって鑑定?」

「ワシのか、どうじゃろうのぅ。目に力をこめれば自然に知りたいことが頭に浮かぶでのぉ」

「なにそれ魔眼なのかな!?すっごいね!その目を使って僕を見てくれれば、僕の得意魔法が分かるんじゃない!?」

 期待を込めてカケル様を見た。僕の手で脇を持たれてプラーンとぶら下がって顔が見える位置に固定された子犬、じゃなくて聖獣様。

 僕はカケル様の特異性をもっとしっかり認識するべきかもしれない。すっかり癒し担当にしていたけれど、聖獣様なのだ!


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