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命をつなぐ回路、不器用な恋路

作者:東雲 比呂志
 人工呼吸器、人工心肺装置、血液浄化装置──命をつなぐ最前線で稼働する高度医療機器。
 だが、その機械を正しく扱い、患者の命を守る“影の専門家”がいることを知る人は少ない。

 佐倉遥、28歳。特定機能病院「東都大学附属病院」の若手臨床工学技士。
 医療機器の構造や原理に精通し、ログの微細な変化から異常を見抜く鋭い観察眼を持つ。だが、対人関係や恋愛にはめっぽう不器用で、同僚からは「機械と話してるほうが楽しそう」とからかわれることもしばしば。

 ある日、ICUで若手外科医が突然死亡する事件が発生する。人工呼吸器のログには異常なし。担当医は「偶発的な事故」と片づけようとする。だが遥は、呼吸器設定値の“わずかなずれ”や換気量の不自然な変化に気づく。──これは単なる事故ではない、と。

 彼女の前に現れたのは、循環器内科医・速水健人(30)。若くして腕を認められた自信家で、直感で動くタイプ。
 最初は遥の理屈っぽい説明に呆れ顔を見せるが、彼女の推理が次々と真実を明らかにするのを目の当たりにし、その姿に惹かれていく。
 一方の遥もまた、速水が示す“患者の心の声”に触れ、これまで機械一筋だった自分の世界が少しずつ広がっていくのを感じ始めていた。

 やがて事件は、医療機器に仕込まれたマルウェアやプログラム改ざんに行き着く。人工呼吸器、薬剤投与ポンプ、そして植込み型心臓ペースメーカ──。
 「機械は嘘をつかない」。その信念のもと、遥は真実を探り出し、速水と共に命を救おうと奔走する。

 医療推理の緊迫と、不器用すぎる恋模様が交差する。
 彼女が守るのは、機械か、人か、それとも……心か。

 ──これは、命をつなぐ回路の先に芽生えた、不器用でまっすぐな恋の物語。
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