8話 第三神滅者
竜胆との通話を切って、キル第八支部へ向かう。
着いて現場を見ると、昨日戦ったにもかかわらず血の一滴もなかった。
死体はキルkillが回収したがそれ以外は何もしていない。
・・・本当に嫌な予感がする...
昨日戦場となった所を通ってキル第八支部へ行く。
自分の足音だけが響く。
コン、コン、コン、コン
そして、見えてきたのは工場のような建物、キル第八支部だ。それに、子供をさらった車が置いてある。
僕はキル第八支部へ入った。
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キル第八支部に入って人の気配が少し感じる。小さな小さな気配。
相当遠くにいるのだろう。
キル第八支部は上へ行く階段はなく、下に行く階段だけがある。
鉄で出来た階段を下っていく。
・・・長すぎる。
どこもでも続いているような階段、だが降りていくたびに人の気配も強くなっている。
下り始めて十分くらいたっただろうか、僕の前に一本の道が現れた。
コン、コン、コン、コン。
足を付く度に、そう言う音が鳴る。
そして、歩いていくと扉があり、その中から子供たち、いや、それ以上の気配がした。
僕はその扉を開ける。
開けた扉の先には、誘拐された子供たちだけではなく、他に誘拐された子供たちがガラス越しの部屋に居た。
だが、その顔は笑っている。
僕はガラス越しにしか居ないと思ったが、僕が開けた扉の横に居た一人の女の子に聴いた。
「ねぇ、君、ここはどういうところなの?」
僕がそう言うと女の子は・・・
「ここはね!夢が叶うところだよ!」
「夢が叶うところ?」
「そう!ここの人はなんでも言うことを聞いてくれるの!」
「なんでもって本当になんでも?」
「う~ん、ここに入るものならなんでもいいって言ってたよ!」
「・・・君、ここは危険なところなんだ。悪い奴らの施設なんだよ」
僕は女の子にそう言った。だが女の子は猛反対した。
「違う!あの人たちはいい人だよ!なんでもくれるもん!」
「君たちは、誘拐されているんだよ。」
「違うもん!誘拐じゃないもん!」
女の子がそう言うと・・・
「そうだよ。これは誘拐じゃない。これは、幸せとは何かを分かってもらうものだ」
後ろで男の声が聞こえた。
僕は後ろを向いたが、男は居なかった。
「そして、幸せを知った子供たちはこの幸せを自分たちで実現しようとする。そうしたらアキレアは幸せの国としてもっと発展していくだろう」
声がする方向を向くと、女の子のよこに先ほどの声の主であろう男が立っていた。
赤い髪に、年齢二十後半くらい身長は百八十センチメートルぐらいだろうか。
「お前はだれだ?」
こいつが竜胆の言っていた危険な奴か。
僕はいつもの表情で男に聴いた。そして、男は笑って応えた。
「やはり来たか。乃薔薇えりか、第十神滅「黄薔薇」を持つ者」
僕は男が話し終わった瞬間に僕は、愛剣「桜月」を男の首へ持っていった。
「まあ、待てよ。俺のことを知りたいんだろ?」
僕は感じた。男の首を斬ったことを。でも男は話している。
男を見ると、先ほどまで話していた女の子の首が斬れていた。
「俺の紹介をしよう。俺はキルの人材担当兼キルNo2、第3神滅「恋尊交換」を持つ者、堕畜裏 ぼたんと言うものです。これからよろしくお願いします」