7話 キルkillのための準備運動
チーズ入りオムライス(昼食)を食べ終えて、僕はキルkill本部を出た。
今日は特にすることがないのでどうしようか・・・
そんなことを考えながら歩いていると「ヒヤシンス公園」に着いた。
ヒヤシンス公園とは名前の通り、ヒヤシンスが辺り一面咲いているので、名付けられた。ヒヤシンスは3~4月に花が咲く。今は9月半ばなので球根を植えているだろう。
ヒヤシンス公園にあるベンチに座り、遊具で遊んでいる子供たちを見ていると思い出してしまう。
昔のことを・・・
はぁ、とため息を吐いて立ち上がった。今日で何回目のため息だろう・・・とそんなことを考えたその時・・・
「ばぁぁん!!」
と大きい音とともに白い煙が辺りを覆った。
僕は煙が邪魔だったので腕を一振りし、辺りの煙をすべて払った。
すると、周りが見えてきて、僕の目に入ってきたのは遊具で遊んでいた子供たち6~7人全員の姿が消えていた。
視界の端に黒い、いかにも犯罪用のような車があった。
マジックミラーのせいで車の中が見えない。
だが僕には分かる。車に意識を集中させると聞こえてくる。子供たちの泣き声、悲鳴そして、助けを求める声が。
・・・仕方がない。これから始まる「キルkill」のために準備運動と行こうか。
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走っていった車を追って僕も走り出したが想像していたよりも速く、見失った。昔の自分なら、今頃子供たち全員助けているだろうな。そんなことを考えながら、子供たちを助け出す方法を考える。
しかし、なぜ子供を誘拐?確かに最近子供誘拐が増えている・・・
豊果との会話を思い出す・・・
確かあいつは『最近『彼ら』が動いた』とか言っていたな。
『彼ら』・・・キルか・・・
昨日殺したキルの第八支部はキルの末端の末端、僕も任務を受けようか迷った。このような相手はキルkillの訓練生にでも与えたらどうだと、御伽に言ったら、
『最近、任務受けてなかったでしょう。体を動かすにはこのくらいの相手がいいんじゃないんですか?それに司令官からも先輩に行かすようにと言われていますので、行って来てください。それと先輩、ご飯買っといてくださいね?...』
と言われたのでしぶしぶ行った。
話が脱線してしまった。今は子供たちの救出方法を助けないと・・・
・・・いくら考えても、方法が思い浮かばないので、キル電で竜胆に車がどこに行ったのか調べてもらうことにした。・・・こうしてみると、僕の能力めちゃくちゃ落ちてるな...
竜胆に電話をかける。「ピ、ピ、ピ」
「やぁ、えりか」
「竜胆、分かっているんだろ」
僕はこいつの取柄はこれしかないと思う。
「あぁ、子供を乗せた車は、昨日えりかが行ったところだよ」
「キル第八支部?」
第八支部に行く理由が僕は分からない。
「えりか、そこに行くのはいいが気を付けておいたほうがいい」
「気を付ける?」
「あぁ、前回はいなかったが、今回は危険な奴が1人いる」
竜胆が僕に忠告するほどの敵。なかなか厄介そうだな。
「分かった。ありがとう」
そう言って、僕はキルの第八支部へ向かった。