6話 同僚
司令室を出たら12時だったので、ご飯エリアの5階で昼食をとることにした。
久しぶりにここでご飯を食べる。最近は家にいることが多かったので御伽の世話になることが多かった。
5階にはそんなに人がいなかった。少し早く来ただろうか。
キルkill本部の食堂は色々な品がある。そのなかでも僕はチーズ入りオムライスとえびグラタンをおすすめする。どちらもキルkill本部の特製品。
「うぅん~~~」
迷う。最後に食べたのはオムライス、だがえびグラタンも久しぶりに食べたい。
「よしっ」
今日はこいつに決めた。
料理の店の注文受付に行き・・・
「チーズ入りオムライス2つで」
料理は注文してから1から作るので時間がかかる。その分おいしい。
席に座りながら料理ができるのを待っていると・・・
「おや、その長い薄ピンク色の髪はえりかさんですか?」
と懐かしく聞く声がした。
「その声は紫色の髪をした『豊果 己叶』さんですか?」
「おや、覚えているとは...最近はここに来ていなかったらしいですが、何かあったんですか?」
豊果がそのまま僕の席の前に座ってきた。
「なぜ前に座る?空いてる席はたくさんあるぞ」
「あなたの顔を久しぶりに見たかったからですよ。それで俺の質問に答えてくれませんか?」
「・・・任務がなかった。それだけ」
「任務がないだけでここに来ないとは...俺はあなたと対戦したいんですよ?」
僕はこいつが苦手だ。なぜなら、こいつはかなりの戦闘狂なのだ。
こいつは僕を見かけたら必ず戦闘を申し込む。
確かに訓練することはいいことだ。だが限度はある。
10回くらいなら受ける。だがこいつは平気で100回くらい戦闘を申し込んでくる。1度でだ。
だから僕はもうこいつと何千回、何万回と戦っている。
負けたことはないが。
豊果はキルkillに入ってきたころからかなりの戦闘狂で、訓練生をめちゃくちゃにしていると聞いた僕は1度懲らしめてやろうと思い、豊果と対戦しフルボッコにした。
それから豊果は僕を見つけるたびに戦闘を申し込むようになった
まあ、そのおかげで豊果は「キルkill」"序列4位"と言う栄光を勝ち取った。
「いまから昼食なんだ。戦闘はご飯の後だ」
「いえ、今日は戦闘をするために来たわけではないんですよ。それに、あなたと会ったのも偶然です。今日は司令官に呼ばれてきているんですよ」
「竜胆に?」
「ええ、たぶんあなたに言った内容と同じことでしょうね」
「言った内容?」
あいつとの会話の内容を振り返る。そして、思い出した。
「・・・これから忙しくなる...」
確か竜胆は最後そんな風に言っていた。
「はい、それだと思います。最近『彼ら』が動いたらしいですから」
「話の内容が分かっていても行くんだね」
「まあ、これでも俺は上の立場の人間ですので、上司の命令には従うしかありません。それにこの話じゃないかもしれませんから」
まあ、その可能性もあるだろう。僕はそう思った。
「と言うわけでえりかさん、またここで会いましょう」
と豊果は言うが僕はまだ豊果には行ってほしくなかった。
「待て、豊果」
「なんですか?」
もうすぐ、3、2、1
「ピピピピピ」
机に置いていたチーズ入りオムライスの出来上がりを示すブザーがなった。
「司令室に行く前に少し手伝ってくれ」
豊果は・・・
「...いいでしょう。ですがこれは貸し1つですよ」
ん~困ったこいつに貸しを作ったらどんなことをされるのか、だがまあいいだろう。こいつのことだ、戦闘のことであろう。僕はそう思った。
「いいよそれで」
僕は豊果と一緒にチーズ入りオムライスを取りに行った。
この話、書くの楽しかったです!