39話 ニート「姉雪 乱総」
次の日から僕たちはキル第六支部の情報を探す日々を送った。キル第六支部についての情報を誰も知らなかったが、唯一分かったのはキル第六支部はペシュニアの中央にある3階建ての建物がキル第六支部であること。
だがペシュニアの住民は誰一人としてその中に入ったことがないらしい。いや、入れないだとか。出入りする人を見た人も誰一人として居なかった。
僕たちはペシュニアの中央に行きキル第六支部がどのような物かを見ようとしたら、キル第六支部は周りをたくさんの木で囲んでおり3階部分と想うところしか見えなかった。
360°どの角度でもキル第六支部が見えないので僕たちが帰ろうとしていると・・・
「お前たちはここで何をしているんだ?」
後ろから僕たちに向けて男の声が聞こえた。振り返るとそこには2、3mある高い壁にあり、その壁の上には、水色から少し色が抜けたような長髪に白色の着物を着た男の人が寝ころびながら煙草を吸い、僕たちの方を見ていた。
「あなたこそそんな所で何をしているんですか?」
「俺は・・・風を感じに来たんだ。それで、お前たちは?」
男の人は長髪を風になびかせながら言った。僕たちはお互い顔を見合わせて言った。
「私たちはある建物を見に来たんだ」
「ある建物...あぁ、総支部のことか?」
男の人はそう言ってキル第六支部を指さした。僕たちの頭には「?」が浮かんでいる。
僕たちはこそこそ声で話し出した。
『キル第六支部が総支部って呼ばれていると言う事ですか?』
『そう言うことだろうな・・・』
『でも、町の人たちにそんな言葉言った人は居なかったよな?!』
「そりゃ、一般市民は知らんだろうな」
菊弟の少し大きい声が聞こえたのか、男の人は僕たちにそう答えた。僕は菊弟の頭を叩いた。
『声がデカい』
『スマン!』
もう一発叩いた。菊弟・・・学べ。
「じゃあ、なぜあなたは知っているんですか?」
「なぜって・・・それは、俺が一般市民じゃないからだ」
男の人はそう言って笑い2、3mある壁からジャンプで降りて来た。そこで僕たちが驚いたのは着地音。
男の人は地面へ音もなく着地した。普通なら「ドンッ」などの音がするだろうがこの男の人はしなかった。しかも男の人は普通の靴ではなく下駄を履いている。ならなおさら着地音は出るだろう。唯一聞こえたのは風の音。
男の人は煙草を一吸いし、僕たちを見て言った。
「元はブバルディア軍元帥、今はニート、キルに首都から追放された男、「姉雪 乱総」だ」




