36話 人気店「ゲッキー」
「皆さん写真など見ましたか?」
「はい、見ました。良奈さんの横に居る人は、仲野さんですか?」
「分かりますか?あの人が今どのようになっているのか分かりませんが、このような感じでしたか?」
やっぱり、この写真に写っているサングラスをかけているチャラそうな男の人は仲野さんだったか。
「いえ、この写真のような感じでは全然なかったですね」
村で会った仲野さんは写真で写っている金色の髪も白髪に変わり、写真ではかなりムキムキな体系だが会った時はよれよれだった。
良奈さんは竜胆の言葉を聞くと少し心配した顔になったが、すぐに笑顔に戻った。
「生きているだけでも儲けものです。これも、このお茶を飲み続けたおかげでしょうか...」
良奈さんはお茶を見つめながら言った。
「本当に運が上がるんですか?」
「さぁ?どうでしょうか。私は運が上がったのは分かりませんが・・・」
そんな話をしていると時刻は17時になり、良奈さんがご飯の時間ですねと言った。
良奈さんはそう言ってカバンを取りに行き、帰ってきた。
「今日は外食にしましょうか。市民証の使い方も見せたいので」
良奈さんはほとんど外食をしないらしい。外食をするのは何十年ぶりだとか。
そして僕たちは良奈さんの家から出て、良奈さんに着いていく。良奈さんが連れて行ってくれる所はペシュニア1の人気料理屋らしい。これは期待が高まる。
「本当に全額いいんですか?」
「いいんですよ。皆さんの市民証にはお金が入っていないでしょ?それに現金は使えないのでね」
「おぉ!いっぱい食うぞ!!」
「そこは、遠慮する所だろ!」
両腕を上げて喜んでいる菊弟の頭を菊姉が凄い力で叩いた。音が人間の出せる音じゃない...
「ふふっ、いいんですよ。いっぱい食べてください」
「いいんですか?こいつら本当にめっちゃ食べますよ?」
そんな会話をしていると目的地である料理屋に着いた。外観はデカく大きい店で赤色が凄く目立ち、看板には大きく「ゲッキー」と書いてある。
店に入ると、中にはたくさんの人が居た。すると鼻に凄く痛い匂いが入ってきた。
店に入るとすぐ横に小さな機械が5台並んでいた。良奈さんに曰く、この小さな機械はペシュニアにある全店に置いてあるらしく、店に入ったらこの機会に必ず市民証をかざさないといけないらしい。かざさないとお会計が出来ないだとか。
僕たちは市民証をかざした。機械の右上が光ったら入ってよいのことらしい。僕たちは全員機械の右上が光った。もし機械の右上が光らなかったら偽物の市民証と分かるらしい。
僕たちの市民証は仮の物だがちゃんと本物判定されるのか・・・
僕たちはそのまま注文受付に行く。食べるものは良奈さんに聞いたこの店の代表飯の「激辛!復讐ラーメン」である。良奈さんはそんなに辛くないと言っているが、この鼻を刺す臭いは注意しておいた方がいいな・・・
注文をし終わると、僕たちは開いている席に座った。ほぼ満席の状態だ。
「それにしても匂いが凄いですね」
竜胆が鼻を抑えながら言った。僕と菊弟もそれに頷いた。
「そうですか?私は良い匂いだと思いますけど」
菊姉が疑問そうに言った。
「凄い匂いですか...私たち、いやアザミの人たちはこの匂いは普通の匂いなんですよ」
「日常からこういうのを食べているんですか?」
「そうですね。日常から食べてますよ」
国によって本当に違うんだな、色々と。




