30話 追放された村「キンレンカ」
森の中へ入り進み続け5時間が経ち、時刻は4時になる3分前。その間、敵はおらず人の気配もしなかった。時刻が時刻、場所が場所だからなのか僕たちは森を抜けるためにずっと森を歩いていた。
そんな時竜胆はその場に止まり言った。
「今回はここでいいかな?」
竜胆はそう言いその場に座った。
「分かった」
僕は竜胆のその発言の意味が分かるが、菊姉弟は分かっていない。これは竜胆がここで眠ると言うことだ。
4時になるまで、3、2、1、0・・・
4時になると竜胆は眠った。それを見た菊姉弟は困惑した顔をしていた。
「竜胆さん、寝ちまったのか...?」
菊弟が僕に聴いてきた。まぁ、初めて見る人からすればわけ分からないだろう。
「あぁ、そうだ。竜胆は寝た」
「え、なんで?」
次は菊姉が聴いてきた。
「・・・そういう体なんだよ。竜胆も僕も...」
そして僕も座った。
「竜胆が起きるのは1時間後だ。その間に休んでおこう」
僕の言葉を聞き菊姉弟も座った。そしてすぐ眠った。こいつら危機感ないな・・・
僕は5時になるまで人や物の気配に意識を研ぎ澄ましていた。
そして5時になり竜胆が目を覚ました。
「何かあったか?」
「ない」
起きた竜胆が聴いてきたので僕は答えた。これは日常。竜胆が起きると菊姉弟も起きた。
「それじゃあ続きと行こうか」
竜胆がそう言うと皆立ち上がり、再び森を抜けるために歩きだした。
・・・・・・
・・・・・・
7時になると完全に日が昇り、僕たち森から抜け出した。でたところは辺り一面草原ばっかりのところだが、奥には村のようなものがあるので僕たちはそこを目指す。
「あそこに行くのはいいですけど、侵入者とか言われないですかね?」
菊弟が奥にある村のことで竜胆に聴いた。
「言われるかもしれないが、この国を救ってくれる救世主と言われるかもしれないぞ?キルに支配されている国とは言え、こんな辺境にある町はキルに恨みを持つ者がいるかもしれないからな」
こうして歩き続けて僕たちが目指していた町に着いた。村には門番なども居なく普通に入れた。町には人の気配がかなりある。
村の建築物はきれいと言えるものではなかった。
そして村の中を歩いていると1人の男性が居た。僕たちはその人に話しかけることにした。
「あの~すみません。あなたはこの村の住人ですか?」
竜胆が男性に聴くと男性は急に声をかけられたからか跳ね上がり転んだ。
「あ、あなたたちは?!」
男性は転んだまま竜胆に質問した。
「私たちはキルkillと言うものだ。それで、あなたはこの村の住人ですか?」
「キル...killって...あの…?」
男性はキルkillと聴いた瞬間、不安や恐怖に満ちていた目に希望が宿ったような気がした。
「そう。あの、キルkillだ」
竜胆は「あの」を凄く強調して言った。すると男性は・・・
「つ、着いて来てください」
男性はそう言い走って行った。僕たちが男性を追うと住民と思われる人たちが集まっていた。
そして男性は言った。
「皆!聞いてくれ!キルkillの人たちが来てくれたんだ!!」
「それは本当か!」
男性の言葉を老人が目を丸くして聴いた。
「あぁ!本当だ!あの人らがキルkillの人たちだ!」
男性は老人にそう言い僕たちの方を指した。
「おぁ...あなたたちがキルkillですか...」
「はい。私たちがキルkillです」
そう言う竜胆に老人が質問した。
「しかし、どうやって?海岸にはキルの奴らがいるはずじゃが...」
「私たちはキルを倒してきました」
それを聞いた老人は「なるほど」と言った。
「実は...儂らが集まっていたのはそれが原因なんじゃ」
老人は続いて言った。
「キルは1か月に1回7時に、物資を取りにこの町に来る。今日がその日だったんじゃ。なのに全然こないから皆で集まっていたんじゃ」
「それは・・・すみません?」
「いやいやいや、とんでもない!今回、既定の物資の量に足りず皆怯えていたんじゃ。だからそのキルを倒してくれたことは儂らにとってもとてもいいことなんじゃ!」
どうやら僕たちが倒したおかげでここの人たちは救われたらしい。
「なるほど・・・それで、あなたたちは何者なんだ?」
「おお!忘れておった!儂はこの村の村長の仲野 良喜と言うものじゃ。よろしく頼む」
「私はキルkill最高司令官の竜胆 明美と言います。こちらこそよろしくお願いします」
村長の仲野さんと竜胆が握手を交わした。
「この村は国名がアザミになる前の「ブバルディア」の住民で、キルとの争いに参加した人たちが各地の辺境の村へ追放された。それを皆はこう言う、追放された村「キンレンカ」




