3話 忘れたい記憶
『お前は『神』になれる』
『流石私の子だ、えりか』
この言葉を何度聞いたことか・・・
『お父様、どうして『私』は『神』になれるの?』
『お前にはその力がある。乃薔薇家 初代当主「乃薔薇 妖楽」が持っていた、第十神滅「黄薔薇」をお前は宿している。その力は、『神』に対抗でき、『神』を殺すこともできる』
『私』の背中には生まれつき、黄色の薔薇の模様が入っている。これは何をしても消えない。
『私』は聴いた。
『『神』になったらどうなるの?』
『『神』になったら、~~~~~~~~~~~~』
そこから先は覚えていない・・・
いや思い出したくない・・・
それが、僕が望んだことなのだから・・・
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僕は目を覚ます。
見慣れた天井、落ち着くにおい、全身を預けられる布団。
僕は寝るのが好きだ。
嫌なことを忘れさせてくれるから。
だが、あれだけは忘れさせてくれない。
一番忘れたい昔々の記憶。
あれさえ忘れれば、新しい自分になれる。乃薔薇えりかじゃない、新しい僕に。
・・・・・・
・・・・・・
僕は朝ごはんは食べない。
理由は単純、朝起きれないから。
どれだけ寝るのが早くても、毎日起きるのは10時。朝ごはんを食べようにも微妙な時間なので、僕は朝ごはんは食べない。
朝昼兼用ということだ。