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十束の神滅者  作者: 北猫新夜
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15/40

15話 人間は成長するもの

 キル第十支部の中はあまり暗くない。


 キル第十支部に入る前から人の気配はしていたが、入ってからは気配が強くなった。 


 「皆さん、気を付けてください。油断していたら来ますよ」


 豊果が僕の思っていることを代弁してくれた。


 僕たちの前を歩いている10組のひとたちは、豊果の言葉を聞くと剣をより深く構えた。


 そんな時・・・


 「おい、お前たちがキルkillか?」


 前から男の声がした。そして周りの人の気配が強くなった。


 「そうです。俺たちはキルkillと言うものですよ。キルの皆さん」


 「リーダーの言っていたことはやはりあっていたな」


 「ほう、あなた方のリーダーは読みがいいようだ」


 そう言った豊果はみんなに「戦闘開始!」と言った。


 それは相手も同じ、話していた男は僕たちの周りにいる人たちに「お前ら!殺れ!」と言った。


 そうして、戦闘が始まった。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


 うーん・・・


 ちょっとまずいな、と僕は思う。


 僕と豊果は危険になったら助けると言っていたので、僕と豊果が危険だなと判断したら助けている。


 助けるのはいい、だが10組の皆が皆危険になっているので、敵は僕と豊果がほとんど倒している。


 これじゃあ、成長するどころか、トラウマになり戦闘できなくなってしまうかもしれない。


 そんなことを考えていると、戦闘が終わってしまった・・・


 「皆さん、怖いのは分かります。俺も初めての戦闘は怖かったです。でも、それを乗り越えないとずっと怖いままなんですよ。今は俺たちがいますが、これからは自分たちだけの戦いになるかもしれないんです。今回のままじゃ、敵のいい餌ですよ」


 みんなは下を向いて震えている。


 先ほどの戦闘が怖すぎたのか・・・それとも、何もできなかった自分たちが情けないのか僕には分からない。


 「・・・下を向き続けてはいけません。そうしたら目の前の敵が見えないじゃないですか。皆さん顔を上げてください」


 豊果がそう言うと、みんなが顔を上げた。


 しかしみんなの顔からは不安の表情がある。


 ・・・ここはキルkill最強の僕が何か言うべきか・・・


 「人間は成長する生き物だ。失敗や間違いを次に生かし成長する、それが人間だ。お前たちも人間ならば、必ず成長する。」


 僕はそう言って、みんなを見た。


 「下を向くな、前だけを見ろ。そうすれば希望は必ず見える」


 みんなは「はぁい!!」と言った。


 みんなの顔に笑顔が実った。


 「さすがえりかさん、やりますねぇ~」


 豊果が手を叩きながら僕に言う。


 「べつに...これは僕が考えたものじゃないし...」


 「ほう?では誰が?」


 「なぜ教えないといけない?」


 豊果は笑って


 「そんな素晴らしいことを言う人を1度見てみたいという、好奇心ですよ。それで誰ですか?」


 こいつ、どうせ対戦してみたいとでも思っているんだろう...


 「・・・僕を『救ってくれた人』」


 「えりかさんを救った人・・・ますます会ってみたくなりましたね」


 こいつ、グイグイくるな...


 「それで、その人は今どこにいらっしゃるんですか?」


 「豊果、今キルkill中なんだけど...」


 そうだ。こんな話をしているが、ここは敵の陣地だ。こんな話をしている場合じゃない。


 「名前だけでもいいので教えてくれませんか?」

 

 こいつはもう絶対引き下がらないだろうと思い、僕は言うことにした。


 「・・・名前は・・・『竜胆』」


 僕の言葉を聞いて、豊果だけではなく周りで聞いていた10組全員が驚いている


 「竜胆って・・・司令官の竜胆明美ですか?」


 「そう」


 皆が驚いている。まぁ、驚くだろう。いつも「かっこいい」だろとか言ってよく分からないことを言っている人が本当に「かっこいい」素晴らしい言葉を言っているのだから。


 「あの司令官がそんな言葉を・・・」


 豊果が目を丸くしている


 「そんなわけでお前の考えている対戦は出来ないので」


 「ははっ、分かっていたのですか」


 いつのまにかいつもの豊果フェイスに戻って、笑っていた。


 「それでは皆さん先へ進みましょう。成長するために」


 みんなは「はい!!」と言って、顔を上げ前に進み始めた。

 




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