決戦!回れ女子高生!の巻(9)
「はあ……はあっ……!」
モンスターたちの追撃をかわし、どうにか半壊した民家に逃げ込んで呼吸を整える。
「くっ……」
左腕から出血。さっきのゴブリンの一撃がかすったようだ。上着の袖を千切って傷口を縛り、流血を止める。右手に握ったアイスソードが重い。……いよいよ体力の限界が近いのだ。
「アヤメさん、リリィさん……。みんな、まだ無事だろうか……」
ヴォルの樹の根から無尽蔵に生み出されるモンスター軍団と乱戦になり、いつの間にか仲間たちとは散り散りになってしまった。
「……アン様」
空を駆け上がり、ヴォルに必殺の一撃を食らわせたはずのアン様。しかし直後、ヴォルの反撃を受けて落下……その最中、彼女は突然その姿を消してしまった。一体何が起こったのか……ボクには理解できなかった。
「……っ!?」
いきなり民家の壁が吹き飛ばされ、隠れていたボクの姿が露わになった。周囲を取り囲んでいたのは不気味に地面を這いずるヴォルの根と、そこから生み出された大勢のゴブリンたち。
「くそっ」
アイスソードを構える。……構えたところで、果たしてどれだけ持ちこたえられるのか。……いや、ここで少しでも時間を稼げれば、それだけ仲間たちが逃げ切れる可能性が増す。なら、やる価値はある!
「来いっ!」
「いい覚悟だが……ブライ王子、キミ一人だけで何ができるというのかね?」
伸びてきた根っこの先が二つに割れ、中から粘液まみれのヴォルの上半身が出現した。……こいつ、樹の中を自由に移動できるのか。いや、それよりも気になるのは。
「一人だって……?」
ボクの問いに、ヴォルはニヤリと不気味に笑って手をかざした。その号令に合わせて、左右からいくつもの枝が組み合わさった樹の束が現れた。その複雑に絡みあった枝がゆっくりとほどけていく……。
「なっ……!」
束の中にいたのは、ヴォルの枝に両手両足を縛られたアヤメとリリィだった。ふたりとも気を失っているようだ。
「そんな……」
無意識のうちにアイスソードが地面に落ちた。もはや、それを持ち上げる気力は失われてしまっていた。
「ククククク……! それだ! その顔を見るためにわざわざ降りてきたのだよ! さあ、ついに終焉の時だ!」
ヴォルが叫ぶと、ふたたび束となった枝がその鋭い切っ先をボクに向けた。いよいよ、これでおしまいか。
人生の最期……その時、ボクの心の中にいたのは一人の女性だった。
もしかして自分のいた世界に帰れたのかな。だったらいいな。もし本当にこの世界にそっくりなゲームがあるのなら、そっちはきっとハッピーエンドにしてくれますよね?
…………アン様。
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