決戦!回れ女子高生!の巻(8)
「よし、あとはショップのチェック項目を一通り潰せば終わりだね!」
ナーシャからその言葉が出たとき、時計の針は既に午前5時を指していましたわ。
「……もう夜が明けますわね。ほんっと、いつもギリギリのスケジュールを組むんですから」
「それだけキミを信頼してるってことさ」
「チョーシのよろしいこと。……で、ホッとしてるところ悪いのですけれど、ここバグってますわよ」
「えっ? ……うわっ」
ナーシャがモニターを覗き込んで絶句しましたわ。そりゃそうでしょうね。なにしろ宇宙船の砲塔がでっかいアイスソードに変わってるんですから。
「ワタクシ、DFの時にこれと同じバグを見たことありますわよ。アナタ、DFとギャラスリを並行開発するためにアイテムテーブルを共有してるでしょう? だからほら、ここのところをチョチョイといじれば……」
ワタクシの操作によって、宇宙船の中にドレスやらプラスチックの剣やら木彫りの熊やら、『ディフェクティブ・ファンタジー』に登場するぐちゃぐちゃな世界観のアイテムどもが並びはじめましたわ。
「これはエグい」
「……とまぁ、こうすればアイテムテーブルの中身がDFのものに切り替わりますから、とりあえずそこだけ応急処置で塞いどきなさいな。それならベータロムの提出には間に合うでしょう?」
「アハハ……こりゃ苦笑いするしかないね。いやいや、危ないところ助かったよ。すぐに直すからね」
「………………………………」
「どうかした?」
「……ワタクシ、やっぱりこのバグ知ってますわ」
「うん。DFのデバッグで見つけてくれたもんね」
「いえ、そうじゃなくて…………」
そう。
それは。
この世界の出来事ではなく。
「…………戻らないと」
「えっ?」
身体に染み付いた……砂漠の匂い、火山の熱気、雪の感触。戦い、討ち果たしたモンスターたち。人の営みが交わる街、暗く危険なダンジョン、絢爛豪華な城。そして……アヤメ、リリィ、ラキスケ……仲間たちとの冒険の日々。
「あれが……あれが夢のはずありませんもの」
異世界で冒険をしていたなんて、常識で考えればバカげた妄言でしょうね。自分でもそう思いますわ。……でも、ワタクシの頭が、身体が、細胞の一つ一つがあの旅をまだ覚えていますの……!
「……なるほど、やはりキミはそっちを選ぶのか」
「ナーシャ……?」
彼女は椅子に腰掛けて足を組むと、戸惑うワタクシに笑いかけて……そして告げましたわ。
「君のいた世界は……ディフェクティブ・ファンタジーの世界は実在する」
いかがでしたか~~~~!
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