決戦!回れ女子高生!の巻(7)
「アンくん、さっき上げてくれたバグレポートなんだけど、こっちでなかなか再現できなくてね」
終電も無くなった頃、ナーシャが開発室からワタクシのデスクにやってきましたわ。まったく、お互いよく働きますわね。
「これは、ちょっとしたコツがいりますのよ」
「やってみせてくれるかい?」
「ええ。隣に座ってよーくご覧なさい。……この壁の角に向かって方向キーを左右交互に連続入力して……ハイ、コリジョン抜けましたわ。入力猶予は2フレってとこですわね」
「おお~、すごい!」
「すごい!じゃありませんわよ。さっさと直してくださいまし」
「おっけ。……参考までに聞いておきたいんだけど、これどうやって見つけたんだい?」
「抜けそうな壁って、長いことやってるとなんとなく分かるんですのよ。ほら、DFの時にもあったでしょう? 塔の無限回廊を周回すると抜ける壁」
「ああ、そういえばあれもキミが見つけてくれたんだったね」
「…………………………」
「どうしたんだい?」
「……いえ、なんでもありませんわ」
……なにかしら。頭の隅に引っかかるこの感じ。何か大切なことを忘れているような……。
「さあて、もうひと頑張りしようか!」
「……ええ、そうですわね」
※ ※ ※
「そろそろ少し休んだらどうだい?」
不意にナーシャに声をかけられて壁掛け時計に目を向けると、いつの間にやら深夜一時。モニターにかじりついていると、つい時間を忘れてしまいますわね……。
「目がシパシパいたしますわ……」
「頑張るためには休息も必要だよ」
「……ですわね。汗もかきましたし、ちょっと気分転換にシャワーをいただいてきますわ」
「いってらっしゃいませ、お嬢様」
※ ※ ※
我が社、福利厚生はショボいですけれど、社内にシャワールームがあるのは褒めポイントですわね。
「あ~……生き返りますわ~……」
目を閉じて髪を洗っていると、隣から別のシャワーの音が聞こえてきましたわ。一体誰かしら……なんて推測する必要もなくナーシャですわね。だって今日泊まり込んでるの、ワタクシたち二人だけですし。
「何かご用かしら?」
「やあ、たまには裸の付き合いもいいかなと思ってね。それにしても……なんというか……見惚れてしまうね……」
ワタクシが目をつぶってるのをいいことにタダ見してやがりますわね。
「アナタ、その見てくれでそっちの趣味があるならさぞ幸せな人生でしょうね」
「フフ、いわゆるラッキースケベってやつかな?」
「あのねえ、そういうのはラッキースケベとは言いませんのよ。本当のラキスケっていうのは…………………………」
「……どうしたんだい?」
「……………………先に出ますわよ」
「え? ああ……」
……ワタクシ、やっぱり何か大切なことを……。
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