決戦!回れ女子高生!の巻(1)
「あそこが入口ですわ」
直径500メートルはあろうかという、巨大なすり鉢状のクレーター。その中心にぽっかりと開いた地下洞窟への入口。間違いなくあそこが北の果て……呪いの洞窟ですわ。
「アン様、正面から突入して見つかりませんか?」
ラキスケが不安そうに尋ねてきましたわ。
「安心なさって。モンスターの合成には長時間に渡る魔力の集中が必要ですから、まだ来るはずのないワタクシたちへの索敵に回す余力があるとは考えにくいですわ!。…とはいえ、それもあくまでワタクシの予想に過ぎませんから、決して100%とは言い切れませんわ。もしも中で大量のモンスターが待ち伏せしていたら…………その時は、守っていただけるかしら?」
いたずらっぽくウインクして見せると、ラキスケはアイスソードの柄をグッと握り、力強く頷きましたわ。
※ ※ ※
「……モンスターの気配、ありませんね」
洞窟へ入ってから既に二つ目の階層へ降りましたけれど、リリィの言う通り、今のところ一匹のモンスターとも遭遇していませんわ。
「あたしたち、けっこー運がいいのかもね!」
「……だったらいいのですけれどね」
アヤメの楽観的な意見を信じたいところではありますけれど、このゲームのエンカウント率は歩数に比例して上がっていく仕様で、逆算すればこれだけ歩いて一度も敵と遭遇しないというのは、もはや運がいいで済まされる確率ではありませんわ。
「……アン様、やっぱり何かヘンですよ」
「ええ。……油断しないようにね」
眼前には地下三層……この洞窟の最下層へと続く長い長い下り階段。ラキスケとアイコンタクトをとり、慎重に降りていきますわ。
「わぁ~……!」
三層へ降り立つと、アヤメが地下深くとは思えないその広大なフロアに感嘆の声を上げましたわ。
「高い天井、岩壁には無数の赤黒いまだら模様……ここですね」
ラキスケの指摘通り、どうやらヴォルの遠隔投影はこの階層から行われたようですわね。
「何か罠が仕掛けられているとしたらここしかありませんわ。気を抜かずに行きますわよ」
「はい……!」
足元、壁、モンスターの気配……あらゆるものに注意を払いながら慎重に歩みを進めていきますわ。……そして。
「アン様、この先にヴォルが……?」
洞窟最奥にある鉄の大扉を前にしてラキスケが問いかけてきましたわ。……その瞳の奥に迷いと疑念が浮かんでいるのも仕方ありませんわね。なにしろ、とうとうここまで一度もモンスターや罠に遭遇しないまま辿り着いてしまったのですから。
「……これが新しいバグでなければね。鬼が出るか蛇が出るか、いずれにせよ、ここまで来たら突入するしかありませんわ」
ラキスケ、アヤメ、リリィ。それぞれとしっかりと目を合わせてから、ひとつ大きく深呼吸をし……そして、勢いよく鉄の扉を蹴破りましたわ!
「ヴォル! お覚悟はよろしくてっ!!」
スノウバスの温泉がたっぷりと詰まったコネクトバッグの口を開けて突入すると、そこには確かにヴォルの姿がありましたわ。
そう。
ヴォルの………………物言わぬ亡骸が。
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