混浴温泉おかわり!タオル一枚、雪の山!の巻(5)
「待てっ!」
アヤメが反射的に湯から飛び出し、その後にワタクシ、そして最後に少し迷ってリリィが続きましたわ! 羞恥心の差ですかしらね! そしてラキスケは……?
「すみません! 諸事情で今は温泉から上がれません!」
「なるほどワタクシのせいですわね! そのまま浸かって待ってなさい!」
「よろしくお願いします!」
ラキスケを置いて追跡開始ですわ!
「二人とも! これを!」
脱衣所を駆け抜けつつ、リリィが備え付けのバスタオルを掴んでワタクシとアヤメに投げて寄越しましたわ。
「助かりますわ! 外は寒いですからね!」
「いや、そういう問題では……」
バスタオルを体に巻きつけ、ダッシュで影を追いかけますわ!
「見て! アイツ猿だよ!」
アヤメが前方を走る白い影を指さして叫びましたわ。見ると……確かに猿ですわね。けれど、ただの猿じゃありませんわね。
「わっ! あいつ、猿のくせに氷でできたスケート靴なんて履いてる!」
「おそらく猿型モンスターと氷の精霊を掛け合せたキメラですわね!」
積もった雪と凍った地面。最悪の足場を猿がスイスイと滑っていきますわ。一方ワタクシたちはというと……。
「足っ! ちめたっ!」
慌てて裸足で飛び出したことに気付いたアヤメが叫んでますわ。かくいうワタクシも靴履くのをすっかり忘れて霜焼け寸前ですわね!
「ウキキッ!」
なにかしら? 猿が急に立ち止まってこちらを振り向きましたわ。
「ウッキッ! ウッキッ!」
その場で高速屈伸。……ワタクシたちを煽るなんて畜生風情がいい度胸してますわね!
「アンさん! これを!」
リリィが両手をかざすとワタクシたちの足を暖かなオーラが包み込み、たちまち足元の雪と氷が融解していきましたわ。クイン女王直伝の炎魔法を弱めにかけてくれてますのね! さらに!
「えいっ!」
続けざまに、今度は火球を猿に向かって放ちましたわ!
「ウキッ!?」
猿は油断しつつも動物ならではの反射神経で火球をかわしましたけれど、リリィの狙いはこちらも足元! 猿め、地面の雪とスケート靴を溶かされたことでバランスを崩してすっ転びましたわ!
「チャンスですわ!」
この隙に一気に距離を詰め……そして飛びついて犯人確保ですわ~!
「ウキーッ!」
「もがっ」
この猿畜生、飛びかかったワタクシの顔に向かって、盗んだ衣服を投げつけてきましたわ! 服をどけて視界を確保すると、猿が手近にあったリンゴの木によじ登っていくのが見えましたわ! そこなら手が届かないだろうなんて、所詮は猿知恵ですわね!
「アヤメっ!」
「ゾゾ流花嫁修業・気力鍛錬の行!」
どっしりと構えたアヤメが腰の入った正拳突きをリンゴの木にぶちかますと、幹の中心に拳の形がくっきりと浮かび上がり、そこから横一文字にヒビ割れが広がっていきましたわ。
「ウキッ!?」
ヒビが一周すると同時に幹がバックリと折れ、無数のリンゴと猿を振り落としながら地面に倒れましたわ。
「さあ、追い詰めましたわよ! 覚悟なさい!」
リンゴに埋もれた猿はよろよろと立ち上がると、逃げるのをやめてジッとこちらを睨みつけましたわ。
「…………ウキッ」
……さっきまでとは別人、いえ別猿のように気迫が違いますわね。やはり猿に見えてもモンスターですわ。
「キィッ!」
猿の腕が動いた瞬間、鋭い手刀がワタクシの纏ったバスタオルをかすめ、胸元近くの布地を切り裂きましたわ。
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