令和にビキニアーマー!乗っ取られた故郷を取り戻せ!の巻(16)
「な、なにっ……!」
「この音、聞こえるかしら?」
ワタクシが手にした"それ"で床を叩くと、鈍い金属音が響きましたわ。
「この鉄の塊を、今から魔法で数百度まで熱します。その後は……おわかりですわね?」
「えっ? ……ウソでしょ? ウソウソ! ちょっとやめてよ! そんなの死んじゃう!!」
「大げさですわね~。人間、おしりが焼けただれたくらいで死にゃーしませんわよ! それじゃあ、行きますわよ!」
ワタクシは"それ"を持ち上げると、ペタンとリトの小さなおしりに乗せましたわ。
「あああああああああああああっ!!!! あっ! 熱っ!! あっ!! あああああっ!!」
リトの叫びが謁見の間に響き渡りましたわ。ワタクシは一度"それ"をおしりから離し、それから一拍おいてもう一度、今度は油断している太ももに当てましたわ。
「ぎゃああああああああああっ!!!!」
……なんだか、ものすごく悪いことをしている気持ちになりますわね。ワタクシ、単にアイスソードの刀身を軽く当てているだけなのですけれど。もっとも、痛覚を刺激するという意味では熱さも冷たさも変わりありませんから、これを熱した鉄板だと思い込んでいる彼女の頭の中では耐え難い大火傷なのでしょうね。
「どうします? 続けます?」
「ひいっ! こっ、この国を乗っ取ったのはっ! モートの器を回収するためですぅ~っ!!」
「あら~素直でよろしいですわね~」
ワタクシがアイスソードを鞘に収めてラキスケに返すと、彼の顔が蒼白になっていることに気が付きましたわ。
「モ、モートの器だって……?」
「モート? なんだっけそれ?」
首を傾げるアヤメに、ラキスケは唇を震わせながら話し始めましたわ。
「モートは、かつてウォンターとタイプレイの建国の祖……つまり、ボクとヘンリーのご先祖様が協力して退治した大悪魔です」
「あー……なんか町の広場でそんな話聞いた気がする」
「その時、モートの魂を滅ぼすことには成功しましたが、実はその力を宿した肉体だけはどうしても滅することができず、器に閉じ込めてこの国の地下深くに封じたのです……」
「……あっ! もしかして!」
どうやら、アヤメも気付いたようですわね。
「アヤメが地下牢脱出の時に見たという明かりのついた地下空洞……あれがモートの器の発掘現場だったというわけですわね。ということは……」
"その通り。モートの器は既に我が手中にある"
皆が一斉に振り返ると、いつの間にか真っ黒なローブを身に纏ったスキンヘッドの大男が立っていましたわ。その巨躯に似合わぬ実在感の無さ。ややエコーのかかった声色。薄く透けた肉体。つまり実態ここにあらず、遠隔投影の魔法ですわね。
「アナタが呪術師ヴォルですわね」
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