令和にビキニアーマー!乗っ取られた故郷を取り戻せ!の巻(9)
「いや! そういうことなら私たちにおまかせを!」
女兵士が自身のビキニアーマーの胸元から何かを取り出しましたわ。ていうか、そこ物が入るんですのね……。
「この魔法のボールを口に咥えてくださいっ! 不本意に身についてしまったスキルを吸収する効果がありますのでっ!」
ゴルフボール大の黒い球体。よくある、スキルポイントの振り直しに使うリセットアイテムですわね。
「吸収したスキルはボールの中に保存されておりますので、もう一度咥えていただければ元に戻すことも可能ですのでっ!」
しかし、なんというかこのアイテ厶……見た目がちょっと……。
「ちゃんと呼吸できるように、ハイこの通り! 穴もあちこちに空いておりますのでっ!」
「別にいいけど……あたし今縛られてるからそれ咥えられないんニャけど」
「これは失礼いたしましたァ! おい誰か、ボールの穴に革ベルトを通し、首の後ろに回して固定してさしあげろっ!」
「うぅ……おあえああえっああいにあうあぁ(よだれが垂れっぱなしになるニャ)」
「なんぼなんでも絵ヅラが終わってますわ」
下着姿でボールギャグを咥えて亀甲縛りにされたアヤメさん、さながらSM界のレクター博士ですわね。アンソニー・ホプキンスに謝りましょうね。
※ ※ ※
「うえぇ~……やっと解放されたぁ」
ワタクシたちが謁見の間の前で待機していると、後からアヤメがハンカチでよだれを拭き取りながら追いついてきましたわ。
「あら。猫ちゃんからも解放されたみたいですわね。せっかく可愛らしかったのに残念ですわ~」
「コメントがひとごと~。ていうか、あたしだけビキニアーマーじゃなくてローブなの、お前の体に合うサイズないよってこと? 地味に傷つくんだけど」
「私はむしろそのローブで体を隠したいんですが……」
アヤメとリリィ、お互い望むものが手に入らないところに世の無常を感じますわね。いわゆる物欲センサーですわね。
「お待たせしましたァ! 今から女王様がお会いになられますっ!」
声のデッケー女兵士が扉を開くと、アマゾネスの女王様がワタクシたちを待ち構えていましたわ。その長く艶のある黒髪は腰まで伸び、褐色の張りのある肌をビキニアーマーが申し訳程度に包み、綺麗に切りそろえられた前髪は切れ長の瞳の威圧感を増強していますわ。
「ブライ王子、でよろしいかな?」
女王は椅子に腰掛けたまま、ゆっくりと足を組みかえながら尋ねてきましたわ。
「はい。クイン女王、お初にお目にかかります。本来は婚礼の儀に出席すべきところ、このような形でのご挨拶となり申し訳ございません」
「……フフッ」
威圧感はそのままに、女王の顔がほころびましたわ。
「……なにか?」
「いや、我が夫ヘンリーから聞いていた通り、いかにもカタブツの受け答えだったのでつい、な。……フフ、これは調教し甲斐がありそうだ」
どうやら、さっき微笑は好みの獲物を見つけたドS特有の笑顔のようですわね……。
「ちょちょちょっとクイン様っ! 調教するならオレがいるでしょう!?」
いきなり女王の椅子が叫びましたわ! 見ると、今まで玉座だと思っていたものは実は四つん這いになった半裸男の人間椅子でしたわ!
「なっ……! ヘンリー! お前一体そこで何してるんだ!? しかもパンイチで! 王族が! パンイチで!!」
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