ここはどこ?私はお嬢様?風雲ノース城!の巻(8)
「えっ! あっ、いやその……!?」
「フフッ」
慌てるボクの反応を見て、アン様はからかうように頬を赤らめて微笑んだ。
「も、もうっ! はやく服着てください服! バッグの中に、よ、予備のドレスが入ってますから!」
「ふふ、ありがとうございます」
………………。
……なんだろう。
この立ち振る舞いは確かにボクの理想のお嬢様だ。これこそ、いつもアン様に求めていたものだ。でも、これは……これは本当にアン様だと言えるのだろうか。心の中に今まで感じたことのない、晴れないモヤがかかっているようだった。
※ ※ ※
湖の先にも川は続いていた。上流へ進むに従い、その勢いはどんどんと激しさを増していく。そして行き着いた先にあったのは、高さ十メートル以上の開けた巨大空洞と、白い飛沫と轟音を立てて流れ落ちる滝だった。滝の脇に目をやると、岩を削って作られた上り階段が見えた。
「もう少しですよ、アン様」
「は、はい……」
息を切らして階段を登ると、滝の上を横切る形で吊り橋が掛けられてきた。向こう岸には洞窟の出口らしき光が見える。
「ここを越えればノース城ですね。けど……」
「こ、ここを渡るのですか……?」
足場となるのは、木製の板を縄で繋げた吊り橋。それ自体はさして珍しいものではない。問題は、そこに手摺りとなる縄が付けられていないことだった。つまり、己のバランス感覚だけで渡りきらねばならないということだ。
「足場自体は渡るのに十分な広さがあるな……。となると、あとはいかに平静を保ち、落ち着いて渡るかだ」
すさまじい勢いで足元に流れる滝。落ちれば一巻の終わりというプレッシャーが足をすくませる。正直、ボクですら震えているのだ。今のアン様には……。
「む、無理です……。ワタクシ、こんなところ渡れません……!」
……ですよね。
「アン様、攻略本にここを安全に越えるためのバグ……いや、裏技は載ってませんか?」
「そ、そうですね……。探してみます!」
ノートとにらめっこしたアン様は、最後のページまで読んだあと、もう一度初めから熟読し始めた。……ということは、つまり。
「アン様、もしかして……何も載ってませんでしたか?」
「………………………いえ」
「おお! 何と書いてあったんですか?」
「女は度胸」
「…………え?」
「女は度胸」
「それだけですか?」
「はい」
「…………………………」
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