ここはどこ?私はお嬢様?風雲ノース城!の巻(4)
「うぅ…………」
突然、女神像から発せられた眩い光に思わず目を瞑る。光は徐々に収まり、ボクがゆっくりとまぶたを持ち上げると、ちょうど他のみんなも目を開いたところだった。
「……?」
目は口ほどに物を言うとはよく言ったもの。アン様、アヤメさん、リリィさん……彼女たちの目を見た瞬間、ボクは妙な違和感を覚えた。
「……………………」
「あの、アン様……?」
「…………はい」
「大丈夫ですか? もしかして、さっきの光でどこか体調が……?」
「いえ、そんなことは……」
「それならいいんですが……。じゃあ、早速そのハンマーで女神像を壊すとしますか」
「……………………」
「……あの、アン様? どうかしましたか?」
アン様はなぜか地面に落としたハンマーをジッと見つめていた。
「ラキスケさん、ごめんなさい……。ワタクシ、こんな重いもの持てませんわ」
「……へ?」
さっきまで手にしていたハンマーが持てない? そんなことあるはずがない。
「ワタクシ、スプーンより重いものを持ったことがありませんの」
「ちょっとアン様、何をお嬢様みたいなこと言ってるんですか。まるで急に性格が変わったみたいに……」
…………ん?
「まさか……」
さっき、ボクとアン様が女神像のバグについて話している最中、アヤメさんが誰かの質問に答えていたような……。まさか、あの時にバグが発動して、みんなの性格がおかしくなってしまったのか!?
「アヤメさん! あなたさっき……」
「にゃーん」
……にゃーん? 見ると、アヤメさんが四つ脚で地面を歩いている。
「にゃーん」
「……猫?」
果たして、これは性格が変わるとかいうレベルの問題なのだろうか。
「リリィさん! そっちは大丈夫ですか?」
「ひっ! ちっ、近付かないでください……!」
「え?」
「おっ、男の人……怖いので……」
うーん、こっちはこっちでおかしなことに……。とにかく、今は唯一マトモなボクがこの状況をなんとかしないと。
「アン様、このバグどうやったら元に戻せるんですか?」
「えっと……あの……ごめんなさい、よくわかりません……」
困ったな。……ええい、この際仕方ないか。
「アン様、コネクトバッグの中、失礼します」
背負っていたバッグを下ろし、中に手を突っ込む。みんなで一つのバッグを共有しているけれど、いつもは自分の荷物だけを念じて取り出している。しかし今は緊急事態だ。アン様の荷物を探らせてもらおう。後で怒られるだろうなぁ……。
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