ここはどこ?私はお嬢様?風雲ノース城!の巻(3)
「占いですわ。血液型とか星座とか色々あるでしょう?」
「……うーん、こう言うと占い師の人たちに怒られそうですけど、せいぜい迷った時に行動の指針にするくらいで、積極的に信じようとは思わないですね」
「アヤメはどうかしら?」
「あたし? 昔、流れの占い師に大吉兆だよ~って言われた次の日、鉱山で崩落事故が起きて十人死んでから信じてないや」
「………………」
気軽な質問に激重回答されて気まずくなるやつですわ……。
「リ、リリィはどうですの?」
「私は……それなりに信じています。世の中のすべてを自分が見えているものだけで理解できるとは思わないので」
「なるほどね」
つい先日、自分の出自を知ったばかりのリリィらしい物の見方ですわね。
「そういうアン様はどうなんですか?」
あら、ラキスケから質問が戻ってきましたわ。
「ワタクシはどっちでもいいですわ」
「どっちでも? それってどういう……」
「ほら、着きましたわよ」
石畳の終点に立っていたのはワタクシたちの倍ほどはある石の女神像ですわ。背中の羽を大きく広げ、両手を合わせて天に祈る姿。長い月日によって至るところが苔で覆われていますわ。
「元の世界でデバッグしていた頃は何度もこの石像の前に立って、誕生日やら血液型やらを答えて色んなステータスのアバターを作ったもんですわ。それが今や『生まれ持ったもので差別をするな!』ってポリコレ棒でボコボコに殴られ、結果アプデで廃止されてこんなところに封印されていますのよ」
「言ってることは微塵もわかりませんが、わざわざその封印の地に来たということは、ここにも大きなバグが潜んでいるということですね?」
「あらラキスケ、アナタ話が早くなってきましたわね」
「さすがに慣れてきました」
「アバターに設定される『性格』のステータスはこの女神像との問答によって決まりますの。ところが、特定の手順で答えた場合にだけ、それまでの回答によるフラグを全部無視して、パーティー内の女性キャラ全員の性格をランダムで決定してしまうというバグが存在しますのよ」
"あなたの性別は?"
"あたし? 見てわかるでしょ、女"
「特定の手順?」
「ええ。性別が女性で、星座が蟹座、血液型がA型、それから……」
"あなたの星座は?"
"蟹座だけど?"
「最後に好きな食べ物が『青椒肉絲』であること! ……まあ、これらすべてに該当するパターンというのはほぼ起こりえませんから、相当に再現性の低いバグと言えますわね」
"あなたの血液型は?"
"A型だけど……キミ、さっきから質問多いね~"
「それなら、なぜわざわざそんなバグを潰しに?」
「実はこのバグ、キャラクターメイクがアプデで廃止されたからって、製品版でも放置されたままでしたのよ。ワタクシ、それがずっと心に引っかかってたものですから……」
「なるほど、でばっがーという仕事に対するプライドの問題というわけですね」
「まあ、もう使わないシステムですからこのハンマーで女神像をぶっ壊せばそれで終わりですわ」
「ALWAYS暴力……」
"あなたの好きな食べ物は?"
「ところで、アヤメはさっきから誰と話してるんですの?」
"青椒肉絲だよ!"
「えっ?」
いかがでしたか~~~~!
お気に召しましたら「ブックマーク」と「ポイント」で応援いただけたら、ワタクシとっても嬉しいですわ~~~~!
それから、よろしければ一言コメントで読者様がこれまでに体験した「おもしろバグ」をご報告くださいな!
もしランク上位に入って次回作を書く機会ができましたら参考にさせていただきますわ~~~~~!!




