ここはどこ?私はお嬢様?風雲ノース城!の巻(1)
ダール火山から北上すること三日目。現在ワタクシたちは馬に乗って草原を駆けておりますわ。ちなみにワタクシは後ろにリリィを、ラキスケはアヤメを乗せた二頭で走っていますのよ。
「気候は穏やか、風は涼しい。実にお散歩日和ですわね~」
「あの、アン様」
ラキスケが馬を寄せてきましたわ。
「なんですの?」
「……後ろに乗せてる人、注意したほうがいいですよ」
「後ろ? リリィがどうかしまして?」
「いや、その……手が教育上よろしくないところに……」
「……あら。ちょっとリリィ。もう少し下、腰の方を持っていただけます?」
「ごめんなさい、掴みやすくてつい」
と言いつつ、リリィはラキスケの方を睨みつけてますわね。
「な、なんでボクが睨まれてるんですか。よくないことを注意しただけでしょう」
「ラキスケさんには関係のないことです。放っておいてください」
あら、なんか始まりましたわね。
「パーティー内でセクハラが横行してたら注意くらいしますよ!」
「セクハラなんて人聞きが悪い。……ねえ、アンさん」
リリィが甘えた声を出してもたれかかってきましたわ。
「まあ、少しばかりスキンシップ多めですけど、ワタクシ、自分に向けられた愛は余すことなく受け止めることにしていますから別に構いませんわよ」
「ちょっとアン様! そんな風に甘やかすから調子に乗るんですよ!」
「ラキスケさん、嫉妬はみっともないですよ」
「なっ!?」
「だいたい、あなたはアンさんのことが好きなんじゃなくてお嬢様フェチなだけでしょう? しょっちゅうアレはお嬢様ぽくないとかコレはお嬢様ぽくないとか文句ばかり言ってるじゃないですか。単に自分の理想をアンさんに押し付けてるだけじゃないんですか?」
「なにを……!」
「それに比べて、私はありのまま今のアンさんを愛しているんです。あなたのような不純な愛情と一緒にしないでください」
「ふ、不純って……」
「不純物だらけの愛──たとえるなら砂金をとった後の砂、濾過した水の残り……」
「ちょっと、それは言いすぎじゃ……!」
「ねー、まだ着かないの?」
退屈したアヤメがふたりの言い争いに口を挟みましたわ。なかなかグッタイミンですわね。
「ええ、そろそろですわ。……そうですわね、あのへんで馬をおりましょうか」
※ ※ ※
「たしか、このあたりのはずなんですけれど……」
だだっ広い草原のど真ん中。点在する石柱の残骸に、崩れ落ちた石像の欠片。かつて栄華を誇ったであろう神殿の遺跡……に見えますわね。
「柱になんか文字が彫ってある……けど、全然読めないや」
「私もいろいろな国を巡ってきましたけど、この文字はどの文化圏でも見たことがない系統ですね」
アヤメとリリィが遺跡を見て疑問符を頭に浮かべていますけれど、それはそうですわ。だってこの遺跡、ダミーですからね。
「アン様、つかぬことをお聞きしますが……次の目的地はたしか森だって言ってませんでしたか?」
「ええ、その通りですわよ」
と言っても、見渡す限り丈の短い草が広がるばかり。ラキスケの疑問ももっともですわね。
「あっ、あれですわ!」
やっと見つけましたわ。中ほどで折れた一本の石柱。その根本に描かれた──おそらくこの世界の人間には読めない「開」の漢字。そこに手のひらを合わせると、石柱がぼんやりと光を放ち、足元の地面がうっすらと透明度を増していきましたわ。
「わっ、なんですかこれ」
驚いたラキスケが後ずさると、地面はさらに透明度を増し、ぽっかりと開いた穴の中に地下への階段が現れましたわ。
「さ、行きますわよ」
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