ショートカット登山!天然混浴温泉バトル!の巻(8)
「たとえ指輪が消滅しても、既に『指輪が起こしたバグ』は消せない……つまり、もし過去にこの指輪を装備してステータス異常を起こしたモンスターがいた場合、そのまま放置されてしまうということですわ」
「なるほど……」
「そこでこのダール火山の出番ですわ。ラキスケ、ワタクシたちがスルーした『戦士の証』のこと覚えてますかしら?」
「まぁ、不憫なアイテムだな~くらいには……」
「戦士の証って、実はめっちゃくちゃ重い金属の塊のことなんですの。それを持って火山を登り、火口に投げ捨てることで『戦士であることを証明』する……っていうのが、あの村のスパルタン風習ですのよ」
「取りに行かなくて良かった」
「『戦士の証』を所持している間は、当然その重さのせいで動きが遅くなりますわよね? けれど、それを火口に捨てると?」
「素早さが戻る」
「そう。つまりこの火口には『投げ捨てたアイテムによって変化したものをすべて無かったことにする』プログラムが仕込んでありますの。本来、この火山にはイベントアイテムである『戦士の証』しか捨てられないのですけれど、今回わたくしたちは特殊なルート(空中不法侵入)で入山したことでその判定プログラムもスルーしておりますから、この火山を利用することで、指輪を使ってパラメータの狂ったモンスターを存在ごとすべて消し去ることができるのですわ~!」
「やっぱりよくわかんないですけど、とりあえずその場のノリで登山したわけじゃなかったんですね」
……長々と喋って大損こきましたわ。
「さてと……」
火口の縁から煮えたぎる溶岩を見下ろしましたわ。ここに指輪を捨てればバグは消える──そう、それだけの単純な話ですわ。
「……アン様、どうしたんですか? 指輪、捨てないんですか?」
そう言われましてもね。……ちらりとリリィの方を見ると、彼女もまた深刻な顔で押し黙っていましたわ。
「ねー、さっきからなんか揺れてない?」
あら確かに。アヤメに言われて初めて気が付きましたわ。
「まっ、まさか噴火!?」
「ここにはそういうイベントは用意されていないはずですけれど……」
その時、轟音と共に突如地面が隆起しましたわ。……いえ、これは!
「ゴーレムだ!」
"なりそこない"の山の中から現れた「生きたゴーレム」。ワタクシたちの三倍はあろうかという巨大ボスモンスターですわ!
"ガアァァァ……!"
どこから出ているのかわからない声を上げ、複数の岩を組み合わせてできた体の隙間から蒸気を吹き出していますわ。熱そうですわね~!
「ちょうどいい! この剣がただの団扇じゃないってところを見せてあげますよ!」
意気揚々とアイスソードを構えたラキスケが対峙すると、ゴーレムはその極太の腕を振り上げ……上半身だけをグルリと方向転換させていきなりターゲットを変更しましたわ!
「!? リリィ危ない! 避けて!」
「……………………」
が、リリィはぼう然とゴーレムを見つめたまま動きませんわ!
いかがでしたか~~~~!
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