ショートカット登山!天然混浴温泉バトル!の巻(5)
鼻にツーンとくる硫黄の匂い。湯気に包まれた天然の岩風呂。見上げれば、外周壁に囲まれた茜色の空。とても火山の中とは思えない絶景ですわ。
「フフッ、画面の外からではこの景色は見られませんでしたわね」
備え付けの手桶で湯をすくい、まずは体にまとわりついた汗を流しまして、それから天然のにごり湯にゆったりと肩まで浸かりますわ。
「っはぁ~……」
思わず声が漏れてしまいましたわ。こんなところラキスケに見られたらまた「お嬢様らしくしてください!」なんてお小言ですわね。
「いいお湯ですこと……。あっ、そうですわ! このお湯ありったけコネクトバッグに流し込んだら持ち帰れるんじゃないかしら! それで銭湯でも開けば新たな路銀の獲得手段に……!」
「フフッ……」
湯気の向こうから聞こえてきた声。聞き覚えがありますわね。水の波紋がこちらへ広がると、湯気の中から声の主が姿を現しましたわ。
「あら、アナタも来てらしたの」
その細くて白い肌……リリィの名前の通り、百合の花のような儚さを感じますわね。
「はい。なんだか落ち着くんです、ここ」
「……そうですわね」
二人で空を見上げましたわ。陽が沈みはじめ、茜色の空にうっすらと月が姿を見せる。世界が淡く染まるマジックアワー。
「アンさん。私、美しいものが好きなんです」
「前にも聞きましたわ」
「私、生まれたときの記憶がないんです。身寄りもお金もです」
「だから生きていくために怪盗に?」
「それもあります。でも、本能的に美しいものが好きだった。だから宝石や貴金属を狙っていたんです。でも……もっと美しいものに出会ってしまった」
「それがワタクシですのね」
「だからアンさん、あなたを盗みにきました」
「あの、アナタねぇ……」
「はい?」
「そういうロマンチックなセリフは、人のナマ乳モミながら言うもんじゃありませんことよ」
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