ショートカット登山!天然混浴温泉バトル!の巻(3)
「はぁっ!?」
地上のラキスケが宙に浮いたままのワタクシを見上げて、まったく状況を把握できずにポカンと口を開けてますわ。しょうがないですわね~。
「おーい! ラキスケ聞こえますの~?」
「はっ、はいっ! 聞こえてますよ~! って、それ一体どうなってるんですかぁ~!」
「吹っ飛び状態を攻撃モーションで強制的に中断いたしましたの~! そしたらバグって空中の座標に留まれますわ~! これでゴーレム地帯をショートカットして、一気に中腹まで登りますわよ~!」
「へ~、おもしろそ! あたしもやろっと!」
続いてアヤメが火薬岩を蹴飛ばし、空中で木刀を振り回してワタクシの隣まで吹っ飛んできましたわ。
「むちゃくちゃすぎる……」
グチグチ言いながら、最後にラキスケも吹っ飛んできましたわ。
「その剣、振ると涼しい風が来ますのね。もっと扇いでくださるかしら?」
「アイスソード、こんなことのために買ったわけじゃないんですけど……」
なんて言いつつ扇いでくれるのがラキスケですわ。
「で、ここからどうやって登るんですか?」
「ここで待ってれば次の火薬岩が空から降ってきますから、タイミングよく蹴とばして吹っ飛び&素振りを繰り返して登っていきますわ。地面に降り立てばちゃんと元に戻りますからご安心あれ」
「ムーンウォークに続いてまた不審者ムーブですか……」
「なら、ラキスケ一人でナンチャラの証を取りに行ってもいいんですのよ? ワタクシたちはこのまま不審者でいきますけど」
ラキスケはちらりと地上を見下ろし、山道に大量のゴーレムが徘徊しているのを視認して言いましたわ。
「……不審者で」
※ ※ ※
「よっこいしょういちですわ」
山の中腹で「爆破キャンセル浮遊バグ」を中断し、ちょうどゴーレム地帯を抜けた辺りの山道へ降り立ちましたわ。
「一気に山頂まで行かないんですね」
「上から侵入しようとすると、火口から噴き出す蒸気でアチチの蒸し焼きになってしまいますから、ここでいったん横穴の洞窟に入るルートを使いますわ」
「アンすご! なんでも知っとるわァ~この人ォ」
「お褒めに預かり当然ですわ」
※ ※ ※
「洞窟って言うから、てっきりモンスターの巣窟になっているかと思ったんですが……」
ラキスケが鞘から抜いたアイスソードを持て余しているのも詮無いことですわね。モンスターどころか、通路は崩落しないよう鉄板で補強され、壁には魔法の灯火が一定間隔で配されて、行く道を明るく照らしてくれていますわ。
「ここは村の呪術師がゴーレム製作のために使っていた横穴ですのよ。モンスターに邪魔されないよう結界が張られていますから安全ですわ」
「うぅ……」
「あらアヤメ、どうなさいましたの?」
「あっつい……もう耐えられない……」
いよいよ火口が近い上に、熱のこもりやすい洞窟ですものね。
「……これいらない」
「ちょちょちょーっと!」
アヤメが死んだ目で水着の肩紐を外したところで、ラキスケがその手を掴んで止めましたわ。
「それ脱いだら終わりでしょうが! 人として!!」
「だって、汗ベトベトで気持ち悪いもん……」
「我慢してください!」
「まあまあ。アヤメの気持ちもわかりますわ。……ほら、出口が見えてきましたわよ。あそこで小休憩できますから、もう少しがんばりましょう」
※ ※ ※
洞窟を抜けると青い空が見えましたわ。そして眼前にはもう一つの山。このダール火山は大昔に大噴火を起こしたことがあり、その時に固まった溶岩が外周壁となり、火口を取り囲んでいますの。つまり、さっきまでの洞窟はその外周壁の中を進んでいましたわけ。
「山の中に山があるなんて……なんだかすごい景色ですね」
「あっ、麓に小屋があるよ」
アヤメが指さしたのは小さなログハウス。かつて呪術師が使っていた家ですわね。
「あそこで休ませてもらいましょう」
いかがでしたか~~~~!
お気に召しましたら「ブックマーク」と「ポイント」で応援いただけたら、ワタクシとっても嬉しいですわ~~~~!
それから、よろしければ一言コメントで読者様がこれまでに体験した「おもしろバグ」をご報告くださいな! たくさんの皆さまに読んでいただきたいので、連載中に応援いただけましたら、もっともっと嬉しいですわ~~~~!
もしランク上位に入って次回作を書く機会ができましたら参考にさせていただきますわ~~~~~!!




