脱げよオアシス!増えよ金!咲いて見せろよ百合の花!の巻(14)
「…………!」
「なんですの、アヤメ!」
「…………!」
彼女、なぜかドレスと口をしきりに指差してますわね。……って!
「まだやってたんですの!? もういいですわよ! 作戦終了ですわ!」
「……っぷはあ! 息苦しかったぁ! ……そんじゃ、あいつ捕まえたらいいんだよね」
「ですわ!!」
アヤメは右手でグッとスカートを掴むと、思い切りよく太もものあたりでビリリと破り、履いていたハイヒールを器用に空中に蹴り飛ばすと、落ちてきたその片方を左手でキャッチしましたわ。
「行ってくる!」
「お願いしますわ!」
超ミニなので走るとパンツ丸出し痴女の如しですけど、さすがはアヤメの全力ダッシュですわ。瞬く間に犯人との距離が縮んでいきますわ~!
「射程圏内! ゾゾ流花嫁修業・必殺レーザービーム! せぇー…………のっ!」
おもいきり振りかぶって投げたのは手にした赤いハイヒール。彼女の手を離れた瞬間、それは真っ赤な弾丸となって空を切り裂きましたわ!
「ぎゃっ!!」
おみごと犯人の後頭部に命中ブルズアイですわ~! あまりの衝撃に犯人はぶっ倒れた勢いでゴロゴロ地面を転がってますわ~! この世界には前転で移動したからって速くなるバグはございませんことよ~!!
「あとはワタクシにお任せあれ!」
この隙に一気に距離を詰めて……!
「お覚悟なさい!」
起き上がろうとしたところへ上から飛び乗って押し倒しますわ~! FPSでもMMAでも上を取ったら勝ち確ですわよ!!
「さあ年貢の納め時ですわ! 年貢年貢年貢!!!」
……って、あら? すごく華奢な腕ですこと。その指に嵌まった黄金の指輪は、その細さゆえに根本まで食い込み、倒れた土の上には長く美しい銀の髪が放射状に広がっていますわ。澄んだ宝石のような瞳がこちらを見つめ……ワタクシもまたそれを見つめ返しましたわ。
「……あらリリィ、アナタでしたの」
「はい」
「どうして?」
「私、美しいものが好きなんです」
「だからって盗みはよくないですわよ?」
自分のことを棚にあげてよく言いますわねワタクシ! ……けれどリリィは首を振りましたわ。
「初めはこの指輪を頂戴するつもりでした。でも、今は違います。この指輪を盗めば、きっとあなたが追いかけてくると思ったから」
そう言うと、リリィはこちらの目を見つめたまま、そっとワタクシの左手の薬指に黄金の指輪を嵌めましたわ。
……正直申し上げて、リリィの瞳に見惚れて油断していましたの。だから不意に彼女が頭を持ち上げてワタクシの唇を奪った時、押さえつけていた腕の力を一瞬、緩めてしまいましたの。やらかしましたわ。
「!?」
その瞬間を見逃さずスルリと拘束から脱出したリリィは、あっという間に暗い森の中へと消えていきましたわ。そこへアヤメが少し遅れて追いついてきましたわ。
「アン~! あっ、指輪取り戻せたんだ。さっすが」
「……あの子、頭バグってますわね」
「あの子? あ~、犯人は逃げちゃったんだ。誰だったんだろ」
「ま、指輪さえ手に入ればなんでもいいですわよ。……そういえば、あとひとり誰かいたような気がしますけど」
「そ、そりゃないですよアン様……」
と言いつつ、雑な扱われ方もまんざらではなさそうなM男・ラキスケが爆発チリチリ頭で追いついてきましたわ。
「ドリフのスキルは爆風耐性Sクラスですわね」
「で、アン。次はどこ行くの?」
「そんなの決まってますわ! ヤバい指輪を手にしたら行くところはひとつ! ですわ~!!」
いかがでしたか~~~~!
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もしランク上位に入って次回作を書く機会ができましたら参考にさせていただきますわ~~~~~!!




