脱げよオアシス!増えよ金!咲いて見せろよ百合の花!の巻(9)
「この熊ひとつください」
「この熊ひとつ売ります」
「この熊ひとつください」
「この熊ひとつ売ります」
「この熊ひとつ…………」
店の中から抑揚も感情も失ったゆっくり生首みたいなラキスケの声が聞こえてきますわ。
「ラキスケ、様子を見に来ましてよ! 熊はたくさん取引できまして?」
「この熊ひとつ…………この熊ひとつ…………」
単純作業のフルマラソンで頭ブッ壊れてますわね。
「ラキスケッ!!!」
「クマッ! ……あっ、アン様じゃないですか」
「調子はどうですの? お金は貯まりまして?」
「え……? あ、えーと、小銭はこっちの袋に……うわっ、いつの間にこんなに!?」
どうやら途中から無意識状態でやってらしたようですわね。
「えっと、三袋と半分です! んー金額は……あの……まさか手で数えるんですかこれ?」
「Stupid guy! そんなことしてたら日が暮れますわよ! ぜんぶ同じ10ゴールド硬貨ですから、一袋あたりの重量で大体の金額がわかるようにしてありますわ!」
「かしこい」
「ありがと♡」
「ところで、そっちのブートキャンプはどんな様子なんですか? あのアヤメさんがそう簡単におしとやかなお嬢様になるとは思えないんですが……」
「ふふっ! ……これを見てもまだそんなことが言えますかしら!」
その声を合図に、ワタクシの後ろからうつむき加減のアヤメがしずしずと姿を見せ、上目遣いでラキスケに微笑みかけましたわ。
「え~!? ドキッとした!」
「でしょう?」
「一体どんな手を使ったんですか?」
「……………………」
アヤメは再びラキスケに微笑みかけましたわ。
「あのアヤメさんですらこうなるんですから、きっと世界中すべての女性をお嬢様にできますよ! ねえ、一体どうやったんですか?」
「…………………………」
アヤメは変わらずニッコリとモナリザのような微笑みをたたえていますわ。
「あのガサツで子供みたいなアヤメさんが見違えましたよ! いやーすごいなぁ! まるで本当にお嬢様みたいだ! とても同じ人間とは思えない!」
「……………………べ」
「えっ、アヤメさん何ですか? 聞こえなかった、もっかい言ってください!」
「………………滅べ」
笑顔のまま振るわれたアヤメの剛腕によってラキスケが壁まで吹っ飛んでいきましたわ。
「今のは性癖に溺れて昨今のポリコレ情勢への配慮を欠いたラキスケが悪いですわね」
「ぜ、全然お嬢様できてないじゃないですか……ぐふっ」
死にましたわ。
「あーもう限界! こんなヒール履いて大人しくしてろなんて無理!」
「あら、そうかしら? 特訓を始めた頃に比べれば随分お嬢様らしくなりましたわよ」
「そうかなあ……」
幸い、まだパーティーまでには時間がありますわ。アヤメの特訓とラキスケの資金調達……あとは潜入に必要なものを見繕わないといけませんわね!
※ ※ ※
そして!
あっという間に潜入当日の朝! ですわ~!
いかがでしたか~~~~!
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もしランク上位に入って次回作を書く機会ができましたら参考にさせていただきますわ~~~~~!!




