脱げよオアシス!増えよ金!咲いて見せろよ百合の花!の巻(6)
「えぇ~……あたしもパーティー出なきゃダメなの?」
「世の中にはワタクシのようなセクシー美女を好む男性もいれば、アナタのような……まぁ本性はともかく……清楚でおしとやかそうなスレンダー淑女か好きという殿方もいますわ! 少しでも作戦成功率を上げるために二人で潜入するのは当然でしてよ! それに、アナタのお爺さまからお嬢様教育をするようにと頼まれているのですから渡りに船! 丁度いい機会ですわ!」
「うえ~、やだなぁ……」
「ところで、そうなるとボクの出番はどうなるのでしょう……?」
「お役御免ですわ~! ……というのは冗談ですわ。ラキスケ、あなたには別の仕事をお願いしたいと思ってますの。これはとっても、と~っても大事な任務ですからアナタ以外には頼めませんの……!」
「なんか怖くなってきた」
「今から説明しますから、一緒についてきてちようだい」
※ ※ ※
というわけでモアフゴーの商店街にやってきましたわ! ここはとにかくすべてが上流階級御用達の高級店! 立ち並ぶ高級ブティック! 高級レストラン! 高級美容室! 高級金券ショップ! 高級質屋! 高級職業斡旋所!!
「これが商店街って……。ボクの知ってる商店街とはまるで別物ですよ。もっとこう、おじさんがヘイラッシャイって店先で野菜売ってたり、買い物かごを提げたおばさんがしつこく値踏み交渉してたりするもんじゃないんですか……?」
ハァ~、まったくこの男は性根から一般庶民に染まってますわね。
「時にラキスケ、今のワタクシたちの格好を見てどう思われますかしら?」
問われた彼は顎に手を当て、ワタクシとアヤメの身なりをつま先から頭まで確認して言いましたわ。
「……逃げ出してきた奴隷?」
「遠慮も配慮も消滅した回答でしたけど、まァそういうことですわ。過酷な砂漠の旅を経て、あの美しかったドレスは今やあちこち破れて泥だらけ。こんなナリではとてもセレブが集まるパーティーに出席なんてできませんわ! まずはドレスを新調しますわよ!」
「と言っても……」
ラキスケが暗い顔でブティックのショウウインドウを覗き込みましたわ。ガラス越しに見えるドレスの値札のハチャメチャな桁数……確かに、どう足掻いても今のワタクシたちには支払えない金額ですわね。
「というわけで、用があるのはこちらのお店ですわ!」
きらびやかな商店街から一本外れた裏通りにひっそりと佇む小さなお店。ただでさえ表通りのデッケー建物の影になっているというのに、照明を点けていないせいでますます暗いですわね。
「なんですか、この怪しい店は……」
「フフッ、お金持ちが多いということは、それを狙う犯罪者も多いということ。ここは盗品を裏ルートへ売りさばいているお店なのですわ!」
「やばすぎる」
「いいことラキスケ。光が強ければ強いほど闇もまた深いのですわよ」
「完全に悪役のセリフじゃないですか。って、まさか盗品を安く買おうってつもりなんですか? いくらなんでもそれは……」
「倫理的にマズいと?」
「いえ、お嬢様らしくないなと」
「……アナタ本当ブレませんわね。まぁ、そんなつもりはございませんからご安心遊ばせ。このお店に買いに来たのはドレスではなく……これですわ!」
「こっ、これは……!」
エンジュの木による高級感溢れる木目柄。人の手で一つ一つ丁寧に削られた唯一性。躍動する一瞬を切り取った迫力に満ちた造型。こんな素晴らしい芸術品、裏ルートでしか手に入りませんわ!
「あの……アン様」
「なんでしょう?」
「この熊の置物……なんなんですか? 魚くわえてますけど」
「木彫りの熊ですわ! くわえているのは鮭ですわ!」
いかがでしたか~~~~!
お気に召しましたら「ブックマーク」と「ポイント」で応援いただけたら、ワタクシとっても嬉しいですわ~~~~!
それから、よろしければ一言コメントで読者様がこれまでに体験した「おもしろバグ」をご報告くださいな!
もしランク上位に入って次回作を書く機会ができましたら参考にさせていただきますわ~~~~~!!




