バグにはバグぶつけんだよ!の巻 (2)
ワタクシの名前は白鳥アントワネット。庶民の皆様からはアン様と呼び慕われておりますわ。我が白鳥家はそんじょそこらの成金とは違うマジモンに由緒正しい貴族豪族財閥金銀財宝カネ持っとる家系でございます。
白鳥家には「大いなる金には大いなる責任が伴う」たる曽祖父・白鳥ベンパーカーの家訓がございまして、父・白鳥友作はその教えに従いツイッターでお金配りをはじめましたのね。そしたらアラまあ思ってた以上に貧民の皆様が殺到いたしまして、あれよあれよという間に資産が半分まで目減りしましたの。なお残り半分は父が宇宙旅行に使いました。
かくして資産を使い果たし没落したワタクシは、いよいよこの身一つで生計を立てねばならぬということで、齢二十にして初めて庶民の皆さまがなさるアルバイトというものを探し始めましたの。
とは言うものの、当然ワタクシこれまで働いたことなどございませんから、まァ面談で落ちること落ちることコードレスバンジーの如しですわ。
「特技に『人の上に立つ』とありますが?」
「はい」
「どういうことですか? 詳しくお聞かせください」
「まず、どこのご家庭にもある万冊の束を用意いたしまして、バサァと空に投げ放ちます。そしたら皆さまアリンコのように地面を這いつくばって回収なさいますわ~~~! 決着の際の標高……海抜……頭の位置をより高きに置くもの、それが勝者ですわ~~~~!!」
「ありがとうございました。お帰りください」
このままではグラップラー餓死!と危機感を抱いたワタクシは考えましたわ。特技・趣味を仕事に活かせばよいのだと! ほら「好きなことで、生きていく」ってナニキンも申しておりましたでしょう? とくればモチロン選択肢に上がるのはゲームかソシャゲの二択ですが、あいにく後者は課金するカネが崩御あらせられたスカンピン元お嬢様ゆえ必然的に前者! そんなわけで最後に辿り着いたのが、とあるゲーム会社のデバッガーでしたわ。
こう見えてワタクシとてもとてもゲームにハマっていた時期がございまして、おはようからおやすみまで画面を見つめる肉塊と化しておりましたの。その甲斐あってか、バグが発生している箇所に近付きますとクンクンと糞虫の臭いがいたしますの。オッシャこの特技さえあれば一生食いっぱぐれないですわ~!と喜びの舞を踊りましたわ。
しかし、それが地獄の始まりでしたわ……。
いかがでしたか~~~~!
お気に召しましたら「ブックマーク」と「ポイント」で応援いただけたら、ワタクシとっても嬉しいですわ~~~~!
それから、よろしければ一言コメントで読者様がこれまでに体験した「おもしろバグ」をご報告くださいな!
もしランク上位に入って次回作を書く機会ができましたら参考にさせていただきますわ~~~~~!!