バグにはバグぶつけんだよ!の巻 (14)
「どうも助かりましたわ~って、これワタクシたちが言うセリフなのかしらね」
「別にいいよ。誰も助けに来ないからそろそろ帰ろうかなーって思ってたとこだし」
あら、このお嬢様ずいぶんと涼しげに言い放ちますわね。
「それにしても、アナタあれだけ強いのにどうしてこんなところに捕まってらしたの?」
「あー……花嫁修業? みたいな?」
「修行の意味が少年漫画のやつですわ」
「あたしんち、鉱山で一発当てただけの成金だからさ。むかし爺ちゃんが社交界デビューした時に、上流階級の人たちにマナーがなってないのを笑われたのがトラウマらしくって。それで孫娘だけはお嬢様らしく育てたい~って」
「それで囚われのお姫様やらせるのは相当イッてますわねあのジジイ」
「まあ、そうなんだけど。でもあたしもこんな性格だから爺ちゃんには悪いなーとは思ってるんだ」
「で、こんな茶番に協力するなんて、アナタも結構お人好しですわね。ふふっ」
「そうかも。あはは」
「………………あのぅ」
「あらラキスケさん。そろそろ立ち直りましたの?」
「いや、もうちょっと悲しみに暮れてようかと思ったんですけど、なんか地面が揺れてて落ち着かないなって……」
あら? 言われてみれば確かに床のレンガがガタガタ鳴ってますわね。ワタクシお嬢様ですから貧乏ゆすりはいたしませんことよ。ということは……あっ、思い出しましたわ。
「そういえばこの塔、ボス倒したら崩れるんでしたわ」
「なんで!?」
「クリア後のフラグ変更処理でバグが出て、プログラマーが直すのめんどくさいからってダンジョンごと潰すことに」
「そいつ出会い頭に殴りてえ~!」
「ほらほら二人とも、早く行かなきゃ足元から崩れちゃうよ」
「はっ、走れええぇぇ!」
※ ※ ※
「あ、危なかった……」
「あやうく塔の瓦礫で共同墓地が建設されるところでしたわね……」
「はは、二人とも大げさだね。瓦礫が降ってきたら殴って壊せばいいのに」
「……それできるのアナタだけですわ」
轟音を立てて崩れ去る塔からかろうじて脱出したワタクシたちは、このクソ茶番の元凶たるゾゾ老人の元へと戻りましたわ。
※ ※ ※
「なるほど、すべてバレてしまいましたか……」
ゾゾ老人は特に焦ることも驚くこともなく、落ち着いた様子で「孫の教育に付き合わせて申し訳なかった」と謝罪いたしましたわ。
「まぁ、ワタクシたちは元々あのバグだらけの塔をブッ潰すつもりで来ただけですから、別にお孫さんが何しようと構いませんことよ」
「そう言っていただけるとありがたい。……時に、迷惑ついでにもうひとつお願いしてもよろしいか?」
「図々しいにも程がありますけど、よくってよ。持たざる者に手を差し伸べるのが我が白鳥家ですから」
「フフ、その寛大な心はまさに私の目指す社交界の御令嬢そのもの。お願いというのは他でもない、我が孫娘を旅に同行させていただき、立派なお嬢様として教育してやってはいただけませんでしょうか!」
「アナタ……本気ですの?」
「あの、やめといた方がいいですよ。この人、さっきも帰り道で下着姿のまま街歩いて『変態お嬢様だー!』って子供に指差されてましたよ」
自分で言うのは構いませんけど、横から割り込んできたラキスケに言われると腹立ちますわね。
「構いませんわよ。先ほど新しいドレスをいただいたお礼もありますし、無下にお断りはできませんものね。……で、アナタ本人としてはどうなの?」
「あたし? あたしは別にいいけど」
あいかわらずサバサバしてますわね。
「それではあらためまして。ワタクシは白鳥アントワネット。究極のお嬢様にして至高のデバッガーてすわ! 改めてよろしくお願いいたしますわ!」
「あたしはゾゾ・フルパワー・アヤメ。よろしく」
ワタクシとアヤメはがっちりと握手を交わしましたわ。
「あっ、ボクは……」
「君には特に興味ない」
「そんなぁ……」
さて、三人パーティーとなったワタクシたちが次に目指すは遥か西の富豪の町! 金持ちの本場でバグをブッ潰しますわよ!!
いかがでしたか~~~~! 明日からは新展開ですわ~~~~~!
どんどん脱いでデバッグしていきますわ~~~~~!
お気に召しましたら「ブックマーク」と「ポイント」で応援いただけたら、ワタクシとっても嬉しいですわ~~~~!
それから、よろしければ一言コメントで読者様がこれまでに体験した「おもしろバグ」をご報告くださいな!
もしランク上位に入って次回作を書く機会ができましたら参考にさせていただきますわ~~~~~!!
ところでワタクシ、積んでいる本がたくさんありまして、一体どれを読んでどれを読んでないのかよくわかんなくなってまいりましたわ~~~~! というわけで一念発起、バッチリ整理いたしましたわ!
同じ本が三冊出てまいりましたわ!!!
それでは皆様、また明日お会いいたしましょ~~~~~!!!




