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△▽の怪異  作者: Mr.Y
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「今日は配信ないんですか?」

『今、友達のとこから帰宅中なんですが』

「じゃあ、正座待機」

「二十二時まで待ちます」

『いや……ちょっと道に迷いまして』

「どこですか?」

『いや、身バレまずいでしょ……友達のアパートから階段を降りて』

「階段降りたら即迷子」

『なんか見知らぬ街だ……』

「戻ったら?」

「人に聞こう」

「Googleマップがあるじゃないか」

『いや、Googleマップが開かない』

「電波悪いん?」

『悪かったらTwitterも開かんわな』

「ですなー」

「Googleマップはどんな感じですか? 参考までに」

『えっとね。ほら読み込みのときにぐるぐるまわるやつあるじゃん? あれが周りっぱなし』

「GPSが死んじゃったとか?」

「人に聞いてみよう!」

『それが、どこにも人影が』

「どんだけ田舎」

「いや、戻ればいいじゃん」

『ない』

「は?」

『身バレ覚悟でいうけど、アパートっていうかね。市営住宅団地なんよ。五階建ての』

「じゃあ、遠くまでみえるじゃん」

『ないんよ』

「は?」

「どうして?」

『わかんない。私が知りたい』

「ちなみに自宅までどのくらい?」

『徒歩五分』

「え? どのくらい歩いてるん?」

『十分くらい? なんか街灯が点々としててね。人がいる気配がないの。でね、家にも灯りがない』

「警察に電話だ」

しばらくツイートなし。

「なんとかなりましたかー?」

「これはYouTubeに移動かな」

『繋がらない』

「マジか!」

「すみません。なにか目印になるものありませんか」

『探してます。でもなんだか空気が悪いのか気持ち悪くて』

「座れるとこあったら座った方が」

「とにかく深呼吸して」

『いや、明かりがありました。コンビニっぽい』

「よかった!」

「今日の配信は無理しなくていですよー」

「まぁ体調も悪いみたいだし」

『ウケる』

「は?」

「どうしましたか?」

「ドッキリだった?」

『セブンなんだけど、読めない』

「は?」

「看板が?」

「セーブオンとか?」

『ううん。読めないんよ。写真送ります』

真っ暗な写真。

『でしょ?』

「え?」

「は?」

「真っ暗ですよ」

『え? なんか読めない文字ていうか、デザインというか。セブンイレブンなんだろうけど読めない感じで』

真っ暗写真。

「同じですよー」

「まぁ、コンビニで道を聞けばあとはなんとか……」

『ヤバい!』

「早くコンビニに……」

『あれ、人じゃない みられた』

「は? 大丈夫ですか?」

「どうしたんだろ?」

「みられたって」

「家に着いたらツイートしてくださいね」

「YouTubeもまだ配信なし」

数日後。

『おさがわせしました。近所で迷子になっていただけでした』

「おかえり!」

「おかえりなさい!」

「大丈夫でしたかー」

「よかった、よかった」

「YouTube再開楽しみにしています!」

YouTube更新なし。アカウント削除。

Twitter更新なし。アカウント削除。

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