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△▽の怪異  作者: Mr.Y
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ミシャクジさま

「もしもし、田島さんですか? お世話様です。MUの飯島です。そちらに南魚は伺いましたか?」

「あ、はい。お世話様です。いやぁ、飯島さん、ありがとうございました。あれからすぐ南魚さんがいらっしゃってUFOの映像の方をみせていただき……あっ」

「どうなされましたか? なにか不都合でも」

「いやいや、南魚さんの方に映像はみれなかったことにしておいてください、と頼まれたんでしたわ。なんでもUFOの映像を消し回っている人たちがいるのだから、UFOの映像があるとなるとなにかされるかも、と。いやぁ、さすがはオカルト雑誌のライターですね。用心深いというか、慎重でいらっしゃる」

「……では、ご覧になられたということですね。田島さんと黒咲夜子さんと南魚、この三人でですか?」

「あ、はい。南魚さんはなにかみえると仰っていましたが」

「え? 南魚が……では田島さんと黒咲さんは?」

「いえ、なにも……それがなにか?」

「いえいえ、ライターの仕事病ですかね。記事になりそうな話だったもので……それにしても大変な目に合われたあとで」

「いやいや、パソコンを奪われて突き飛ばされただけですから」

「いやぁ、それって暴行ですから、怖くはなかったんですか?」

「そりゃ、そのときは怖かったですよ。けど、今は小さい頃△山でUFOをみて以来の興奮に包まれています!」

「それは豪気ですね」

「UFO研究をはじめて色々ありました。数々のUFO写真、映像、エリア五一の疑惑、そして一九九九年の恐怖の大王に続く二〇一二年惑星二ビルの接近……こんなに資料や現象、予言。宇宙人が存在し、地球に来ている事実があるにも関わらず、我々にハッキリとした姿をみせてくれない。特に二〇一二の惑星二ビルの最接近のときは空を見上げて待っていたんですよ。シュメール人に文明をもたらしたアヌンナキが姿を現し、この行き詰まっている人類文明を一歩、前進させるヒントをくれるんじゃないか、とね。けれど現れなかった。きっと宇宙人からみてまだ人類は宇宙社会に入れるほどの文明ではないんですよ。この辺の啓蒙活動を是非ともMUでも取り上げていただきたい!」

「では田島さんからみて今回の件は宇宙人関係、と」

「そこが判断のつかないとこでして」

「ほう」

「まず、誘拐された黒咲さんですが、心身ともに傷なく健やかでした。少なくとも私にはそうみえましたね。そしてCTやレントゲンでも身体に異常がみられなかったといってましたし。ただ異常があるとすれば記憶がない、外見は若いままということでした。宇宙人なら身体検査をするか、なにか発信機を埋めるという話が多い。ただ記憶がない、というのが引っかかる。宇宙人にとって知られたくないものを黒咲さんが知ってしまったから、記憶を奪い、地球に戻したとも考えられる。もうひとつは怪異によるものです。単純に異界にいってきた。光はUFOではなく異界のなにか入口のようなものか、異界へ連れ去る怪物のようなものか。そしておとぎ話の浦島太郎に出てくる竜宮城のように時間の流れの違う異界へいってきた。記憶に関しては異界で不都合な真実を知ってしまったから異界のなにかに記憶を奪われたのではないか。もしくは霊感がなくなった、と仰っていたので、魂の一部を抜き取られたか……」

「魂ですか……」

「はい。古代エジプトや中国には魂はふたつあるという説があります。身体を動かしているものと、霊的なもの。どちらもそろった状態が健康な状態で、一方がなくなると……」

「なくなると?」

「ゾンビやキョンシーのように死にながら生きる……これだと黒咲さんには当てはまりませんな! はははは」

「はははは……それにしてもうちの南魚がお役に立ててなによりです。また今回の件をまとめると面白い話ができそうなので近日中に伺いたいと思うのですが……」

「いやぁ、まだ考えがまとまってないので、ちょっと自信がないのですが……黒咲さんの名前を伏せて、UFOによる行方不明事件を宇宙人、怪異の両方で話していくという感じでしょうか?」

「そうです! それで、是非とも! いや、でも前回がアラハバキと宇宙人でしたよね。アラハバキが客人神で黒い鉄の塊が御神体。つまり人類に文明を与えた宇宙人だから客人神という。今回の事件と繋がりますかね」

「うーむ、そこはさきほどの推測と同じで、話を広げてみるのはどうでしょう? 昔、私は△山で小さい頃UFOみてますし、宇宙人の話は尽きません。そして、△山は古墳です。しかも宮内庁から発掘を禁止されている、ということで神話繋がりでもいけると思います」

「おお! さすがは田島さん! もしかして△市もアラハバキを祀る神社があるんでしょうか?」

「……それがないんですよ」

「アラハバキが弁財天に変わって祀られたとか、別の女神や菩薩に変わっている場合もあるらしいですが」

「それがですね。△市は神社といったら『御芍神紫(ミシャクジ)』さまなんですよ」

「アラハバキがその神様にとって変わられたのでは?」

「通常、古い神が新しい神にとって変わられることはあります。朝廷の影響を恐れて、朝廷の推す神をいままでいた神になぞらえて祀るんですな。けれどミシャクジはアラハバキと同時代の縄文の神なんです。……もしかしたら東日流外三郡誌(つがるそとさんぐうし)や出雲口伝などのまつろわぬ民の裏日本神話は多種存在し、△市のミシャクジさまには失伝した裏日本神話があったのかもしれません」

「それもまたロマンですね! そのミシャクジさまはどういった神様なのでしょう」

「長野県、諏訪の神様です。しかし、なぜ、ここ北陸のN県△市に祀られているのかよくわかりません。姿は蛇の姿をされています。まぁ『蛇神』ですな」

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