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65 属性発覚! とんでもないことが判明……!


「ふむ、ミミ君は光属性のようだね」


「へぇ、何か凄そうな感じだな」


 ジョゼさんに見てもらった結果、ミミの属性が判明する。


 その名も光属性、これはかっこいい。


「俗に聖属性とも言われるね。非常に珍しいよ。浄化や解呪に特化した属性だね」


『光属性?』


 と、首を傾げるミミ。


「珍しいみたいだよ? なんかかっこいいし、よかったね」


『やったー!』


 かっこいいという部分に反応し、ミミは大喜びとなる。


「属性が分かれば、後は魔法を発動させれば習得できるんだけどな」


「光属性魔法なら、浄化や解呪の魔法がポピュラーだな。しかし、魔法名だけを唱えても、自分に適正があるということは感じ取れるだろうが、魔法の発動は難しいだろう」


「呪文か、しっかりとしたイメージが必要なんですよね。もっと簡単な魔法でもあればなぁ」


 魔法を発動させるには、その効果をしっかりとイメージする必要がある。


 浄化や解呪だと、ちょっと想像しにくそうだ。


「それなら照明の魔法がいいかもしれない。イメージもしやすい。魔力照明と唱えてみるといい」


「ミミ、携帯照明を使ったときのことをイメージしながら魔法を発動させてみて」


 俺の説明を聞き、ミミがコクリと頷く。


『魔力照明!』


 ミミが魔法名を唱えると同時にピンポン球ほどの球体が発生、中空に浮くと優しい光を発し続けた。


「お、できた! やったな、これで光属性の魔法を習得だ!」


『わーい! これでいつでも明るく出来るよ!』


「暗い所でも安心だな」


 意外と使用頻度が高そうな魔法だ。重宝しそうである。


「それで、俺の属性は何だったんでしょうか?」


 無事ミミの魔法習得も成功し、次に自分の診断結果が気になった俺はジョゼさんに尋ねた。


 俺の方が先に見てもらったのに、なぜかミミの属性から発表になったんだよね。


 どうして後回しになったんだろう。


「君は無属性だ」


 ジョゼさんは俺をじっと見据えてそう言った。


 ん、無属性ってどういうこと?


「え、属性魔法が使えないってことですか?」


 無って付くくらいだし、属性魔法は無しってことだろうか。


 それはちょっと悲しいぞ。


「勘違いするんじゃない。無属性だと言っている。無という属性の魔法が使えるんだ」


「無属性? どういう属性なんですか」


 無属性。これは光属性よりイメージしにくい。どうにもピンとこないな。


「簡単に言うと、属性の無い属性ということだ」


「?」

『?』


 俺とミミの頭上にクエスチョンマークが浮かぶ。


 なぞなぞでもやっている気分だ。


「説明を省略しすぎたか? 他の属性なら火や水などといった象徴的なものがあるだろう? 火なら熱や炎に関連する魔法が使えるが、水に関連するものは使えない。まあ、生活魔法のような小規模なものなら例外だがね」


「そこまでは分かります」


『うんうん』


 俺とミミは腕組みしながら、うんうんと頷いた。


 ジョゼさんが例えを交えて話してくれるお陰で分かり易い。


「うむ。無属性というのはそういった象徴的なものになる前の段階。何かに変化する前だから無属性というわけさ。想像できたかい?」


「な、なんとなく……」


「まあ、根源的な属性とでも思えばいいさ。何ものにもなるまえの属性だから、他の属性魔法のように応用的な利用が難しく、パワー勝負の魔法だ。土で壁を作ったり、水を凍らせて足止めしたりするといったような、器用なことが一切できない」


「あ〜……、そういう感じなんですね」


 ジョゼさんの丁寧な説明により、随分と形が掴めた。


 様々な現象を利用した間接的な攻撃が使えず、直接的にしかダメージを与えることができない。


 要は、エネルギーの塊をそのままぶつける感じなんだろう。


 属性になる前の素。それが無属性。


「その分、魔法の発動自体は単純だと聞く。とにかく体外に放出してぶつけるという感じだ。冒険者流に言えば、細かいことを考えずにぶっ放すってわけさ」


「なるほど、大分感じが分かってきました。後は、無属性魔法の使い手に教えてもらえれば大丈夫そうですね」


 これで実際に使っているところを見れば、実用の目途が立ってくる。


 最低でも魔法名は知っておきたいな。


「それは難しいな。さっき、ミミ君の光属性を珍しいと言ったが、無属性は希少を通り越してほぼいない。使い手となると、世界に一人いるか、いないかといったところだ。魔法名はもちろん、呪文も伝わっていない。使いこなすのは困難を極めるだろう」


「なんと……」


 レアをゲットできてラッキーと思っていたら、レア過ぎてアンラッキー。


 世界に一人いるかいないかって……、ここに俺がいるじゃん!


 ってことは実質ゼロじゃん!


 世界に唯一の属性持ちが自分自身。これは参ったな。


『マスター、大丈夫?』


 落ち込んでいると、心配したミミが体をさすってくれる。


 俺は「大丈夫だよ」と、ミミの頭をワシワシとなで返した。


「何、そう悲観することはない。そんなときこそ錬金術だ。錬金術ならば、属性魔法に頼らなくても色々なことができる。応用も利くし、使い勝手も抜群だぞ」


「錬金術か」


 属性魔法は諦め、錬金術で代用。それもありかもしれない。


「うむ。どうだね、学んでみる気はあるかい?」


 ジョゼさんは本当に錬金術が好きなんだろう。


 錬金術の話をしている時は楽しそうで仕方ないといった感じだ。


 これも何かの縁だし、錬金術を教わってみるのも悪くないかな。


 そんな事を思っている間も、ジョゼさんの熱弁は続き、収まる気配はない。


 マニアの人に何がそんなに好きなのかを尋ねてしまったかのような状態だ。


 ……これは長くなりそうだな。



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