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413 まったりしていたら、とんでもない呼び出しが!?

 

 フローラさんの試験が終わった翌日。


 やるつもりだった予定を一通り済ませた俺は、宿でのんびりお茶を楽しんでいた。


 月の雫亭も、祭りが終わってお客が減り、随分と静かになった。


 宿の仕事が減って暇にしていたのか、フローラさんがこちらに寄って来る。


「まるもっちーさんは、まだしばらく街にいる予定ですか?」


「もともとの予定は祭りに参加することだったんですよねぇ」


 後、素材探しも目的だったが、両方とも達成した。


 といっても、次の目的地も決まっていないしなぁ。


「急いでいるわけでもないので、しばらくゆっくりしようかと……」


 ここでのんびりしながら、次の目的地を決めていこうかな。


 そんな風に二人で話していると、エラさんが宿に駆け込んできた。


「まるもっちーさん! 至急ギルドへ来てもらっても構いませんか」


「分かりました。ちょっと行ってきます」


 ただならぬ気配を感じ、二つ返事でギルドへ向かう。


「良く来てくれたな。それで、だな……。お前、祭りの時に海中で巨大なモンスターを倒していなかったか?」


 部屋で待ち構えていたギルドマスターが、俺に疑いの視線を向けてくる。


「何のことでしょう……」


 呼び出された理由はそれか。


 話すと面倒な事になりそうだな……。


「お前がいた辺りから巨大な光の柱が上がったと報告がある。お前がこの街で色々やってきたことを見たり聞いたりした結果、巨大なモンスターを倒したんじゃないかという推測に至った」


「気のせいだと思います」


 ギルドマスターから問われ、顔をそらす。


「そうか。なら、そういうことにしておくか。ちなみにモンスターというのは巨大なタコだ」


「そ、そうですか」


 く、そこまで掴んでいるのか。


 カオスオクトパスは街のすぐ側まで接近していたし、目撃者も多い。


 俺が遠くへ押し返しているところを見たなら、倒したと考えるのも頷ける。


 何にせよ、納得してくれているみたいだし、とぼけ切ろう。


「さて、本題に入るぞ」


「本題が別にあったんですね……」


 挨拶代わりのジャブで、こっちは冷や汗たらたらだ。


「そうだ。まるもっちー、ナウテットの街を知っているか?」


「ええっと、確かオアシスの中にある街ですよね」


 少し前に、ブレントさんが向かった街だ。


 カジノやショーが有名な街だったはず。


 街が煌びやかなのに対して、周囲の環境は苛酷でモンスターが強いんだっけ。


「そうだ。そこで深刻な水不足が発生している」


「それは危険ですね。生活魔法で水を作ってもダメなんですか?」


「今はそれで凌いでいる状態だ。といっても、冒険者でもない一般人が生活魔法で出せる水の量はコップ一杯程度だ。誰でも魔法が使えるというわけでもないし、街全体で必要となる量には到底とどかない」


「なるほど……」


 俺やミミならプールを一瞬で一杯に出来る量を作り出せるけど、普通の人だと少量しか出せないんだな。


「そこで、お前のアイテムボックスの出番だ。大至急ナウテットの街へ水を持って行って欲しい」


「分かりました。すぐ向かいます」


 状況を理解した俺は、ソファから立ち上がった。


 準備を整えて早速向かうか。


「いや、待て。水を用意しないと始まらない。今掻き集めているから、しばらく待て」


「俺が用意しましょうか?」


 生活魔法を使えばすぐだ。


 そもそも現地で生活魔法を使って水を出すという手も考えられる。


「おお! 当てがあるのか? それならお前の方でも用意してくれ。水はなるべく大量にあった方がいいからな」


「分かりました」


 街全体が水不足なら、相当な量が必要になるか。


 それなら俺も大量に用意しておこう。


 錬金術で容器を作って魔法で水を詰め込めば、かなりの量を確保できるはずだ。


「準備ができたら呼ぶ。しばらく宿で待機していてくれ」


 というわけで、ギルドでの準備が終わるまで、宿で待機する事となった。


 その間に俺も水の準備をしていこう。


 …………


 準備のため、広い場所を確保したかった俺は、街の外に出た。


 宿に待機してくれと言われたが、しばらくは連絡も来ないだろうし、今のうちにこっちの準備を整えていくことにする。





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