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410/415

410 試験当日、ギルドマスターがまさかの行動に!?

 

 翌日。


 俺は事情を説明したフローラさんと共に、ギルドへと向かった。



 受付へ行き、エラさんに話をすると、練習場に向かうように言われる。


 練習場へ向かう際、エラさんがやたらフローラさんの顔をチラチラ見ていたのが気になる。


 その表情には余裕がなく、ギャンブルで大損したかのような動揺ぶりだ。


 一体どうしたんだろう……。


「それじゃあ、要望通り試験をやるぞ。で、受けるのは誰だ?」


 キョロキョロと辺りを見回すギルドマスター。


 って、俺とミミとフローラさんしか居ないんだから、誰が受けるかなんて明白だろうに。


「あ、はい。彼女です」


 俺はフローラさんを紹介する。


 途端、エラさんが両手で顔を覆う。


 そして、ギルドマスターの顔が急変。何やら騒ぎ出した。


「フローラちゃんじゃねえか! お前、それはダメに決まってるだろうが!」


「ええ!? いいって言ったじゃないですか!」


 今さらそんなこと言われても困るぞ。


 フローラさんにOKを貰ったことを伝えたら、すっごい喜んでいたのに。


「歌姫に何やらせるつもりだコラ! 絶対ダメだ」


「でも、この間確認したらいいって言ってたじゃないですか」


 納得がいかなかった俺は、ギルドマスターに詰め寄った。


 しかし、ギルドマスターは聞く耳を持たない。


 ダメだ、いいって言ったよねの問答を繰り返し、平行線を辿る。


「あれはあれ、これはこれだ!」


「意味が分からないですよ!」


 なんという理不尽。


 あれだけ色々話し合ったのは、なんだったというのか。


 頑として首を縦に振らないギルドマスターと、問い詰める俺でつかみ合いになって揉める。


 と、そこへフローラさんが割り込んできた。


「私、試験を受けたいんです。相手はどうしてもまるもっちーさんがいいんです! お願いします!」


 フローラさんはギルドマスターの方へ向くと、深く頭を下げて頼み込んだ。


「はい、喜んで!」


 満面の笑顔で即答するギルドマスター。


 今、この状況じゃなければ、百点満点の返事と言えよう。


「おい! 今さっき言ったことと違うじゃないですか!」


 受け入れられたから喜ばしいはずなのに、全く納得がいかない。


 掌クルクルしすぎだろ!


「歌姫のフローラちゃんのお願いとあっては断れねえ。お前、さっさと負けろよ」


 ギルドマスターは俺の耳元に顔を近づけ、ドスの効いた声で脅してきた。


「八百長! このギルドマスター、八百長を指示しましたよ!」


「バカヤロウ。フローラちゃんを応援しているだけだ。わざと負けるよう指示した覚えはない!」


「ぐぅ……、なんてギルドマスターだ……。でも、受けられるようになったから、いいか」


 もう、色々面倒臭くなって来たので、受け入れることにする。


 ガックリときて、ため息を吐いていると、フローラさんがこちらへ駆け寄ってきた。


「まるもっちーさん、よろしくお願いします!」


「こちらこそよろしくお願いします」


 丁寧な挨拶を受けたので、こちらもしっかりと返す。


 ギルドマスターのせいでモヤっとしたが、フローラさんの態度でスッキリだ。


「それじゃあ、試験の説明をするぞ」


 と、ギルドマスターが面倒臭そうに言った。


「ギルドマスターが試験官を担当するんですか?」


「まあな……。不測の事態に備えなきゃならねえからな。エラ! 薬をしこたま用意しておけ! フローラちゃんに何かあったら一大事だ!」


「かしこまりました!」


 ギルドマスターの指示を受け、エラさんが敬礼をして駆け出す。


「エラさんってあんなキャラだったっけ……」


 この試験、無事終わるのだろうか……。





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