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406/415

406 特設ステージに着くも、とんでもな状態だった!?

 

「どうやら大丈夫みたいだな」


 祭りが開催している場所まで戻ると、喧噪が出迎えてくれた。


 ついさっきまでモンスターが接近していたとは思えない賑やかさである。


「モンスターを退けた祝いに、今日は大割引だ! 寄ってらっしゃい!」


「こっちは大盛りサービスだぜ! 食ってくなら今がお買い得だよ!」


「記念にお守りはどうだい! モンスターを退けた記念の縁起物だよ!」


 お客が多ければ、店員の呼び込みも熱がこもる。


 モンスターを退治したことを売りにするなんて、中々商売上手だな。


『昨日より、楽しそうだね』


「打ち上げというか、祝勝会みたいな雰囲気だな」


 今日が祭りの最終日な上に、モンスターを倒したことでお祝いムードになっているので、非常に盛り上がっている。


 俺たちは賑やかな雰囲気を楽しみながら、出店を巡回。


 どこのお店も記念やお祝いと銘打って、特別仕様の料理を出している。


 そんな特別仕様で特別価格な料理を、片っ端から平らげてまわった。


 出店の料理を満喫していると、一気に時間が進み、ステージの開演時刻になってしまう。


 俺たちは慌てて特設ステージへと向かった。


 が、時既に遅し。会場は満杯となっていた。


「うわあ、一杯だな」


『人がいっぱいだね!』


「のんびりしすぎたか……。もう少し早く来ておくべきだったな」


 どこもびっしりと人で埋まっており、完全な満席状態だ。


 人気のイベントなわけだから、こうなるのも当たり前か。


「むう、立ち見するしかないか。ミミ、頭の上に乗って」


『うん!』


 俺は頭上にミミを乗せると、立見席へ向かった。


 こちらも俺たちのように、席に座れなかった人で一杯だ。


 邪魔にならないよう、後ろの方へ移動する。


「ミミ、小さくなってくれる?」


『分かったの』


 後ろの人が見えなくなるので、ミミには小さくなってもらう。


 といっても俺の身長がかなり高いから、焼け石に水だとは思うけど。


 なんとか定位置を確保し、舞台を眺めていると、パッと照明が一斉に点灯した。


「お、始まったな」


『わあ!』


 軽快な音楽と共に、舞台衣装に身を包んだステファニーさんが姿を現す。


 途端、観客全員から歓声が上がり、会場全体が震えた。


「みんな、今日は来てくれてありがとう! そして、冒険者のみんなは、お疲れ様! みんなのお陰で無事ステージを届けることができます! もうダメかと思ったけど、みんなが力を合わせたことによって、モンスターを退けることが出来ました。本当にありがとう!」


 ステファニーさんの舞台挨拶を聞き、盛大な拍手と歓声が上がる。


「それじゃあ、始めようか!」


 ステファニーさんが右手を掲げると、舞台袖から初日に出演していたダンサーの方々が現れた。


 それと同時にバックバンドの演奏が始まる。


 演奏に合わせてダンサーが一糸乱れぬ動きで踊り、序奏が終わったところでステファニーさんが歌い出す。


 それは毎朝聞いているのとは歌とはまた趣が違い、なんとも新鮮だった。


 迫力ある音楽に、華麗なダンス、そして美麗な歌声。


 俺はその迫力に圧倒され、舞台に見入ってしまう。


 それはミミも同じのようで、声を出すことも忘れて舞台を見つめていた。


 ステファニーさんは様々な曲調の歌を五曲披露。


 最後の歌を歌い終わったところでお辞儀をすると、会場全体が拍手で包まれた。


 俺とミミも、目一杯拍手した。


 拍手が止み、一拍の間が空いた所で、ステファニーさんが口を開く。


「今日はモンスターを退けただけで喜ばしいのに、もうひとつ嬉しいお知らせがあります! この辺りにいた人は聞こえていたから、もう知ってるかもしれないけどね」


 ステファニーさんの発言を聞き、ざわざわと騒ぐギャラリー。


 皆、嬉しいお知らせが何なのか予想しているようだ。


「それじゃあ、特別ゲストに登場してもらいます! どうぞ!」


 ステファニーさんが、観客のざわめきをさえぎるように手をかざす。


 次の瞬間、豪華な舞台衣装に身を包んだフローラさんが現れた。





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