405 一件落着。お祭り再開か!?
「それは難しいと思うよ?」
と、ステファニーさんが割り込んできた。
「一人くらいは来ているでしょ?」
「基本滅多に来ないね。この街で稼ぐには漁が主体になるんだよ。だから、他所で培ってきた技術があまり使えないからね〜……」
「そういえばそうでしたよね」
その話はギルドマスターからも聞いた覚えがある。
「だから、ランクの高い人からは敬遠される街なんだよね、ここって」
「でも祭りの時は依頼抜きで、観光に来たりするんじゃないですか?」
「そうかもしれないけど、その場合は街で依頼をしないから、更新手続きをしないんだよ。そうなると、街に来ているかどうかも分からないってわけ」
「ああ〜……」
依頼目的で高ランクの冒険者は来ない。
観光目的の高ランク冒険者が来ていたとしても、ギルドには顔を出さない。
つまり、無理ってことか……。
「この街の冒険者も、別の街で昇級試験を受けたりするからね」
「そういえばテリーさんもそうだったな」
わざわざミルティユの街まで来て試験を受けていたっけ。
「まるもっちーさん、お願いします!」
フローラさんは深く頭を下げたまま微動だにしない。
その姿からは、俺が首を縦に振らない限り、一歩も動かないという決意が伝わって来る。
うーん、これは断れないか……。
「それじゃあ、ギルドマスターに聞いて大丈夫だったら、祭りが終わった後にやりますか」
基本やるなと言われているし、ギルドで確認を取る必要がある。
許可が下りれば、俺がフローラさんの相手をしよう。
「はい! ありがとうございます!」
と、俺たちが話しこんでいると、後方から大きな声が聞こえてきた。
「おい! 何やってるんだ! リハーサルを始めるぞ!」
「ステファニー! 来て! 準備するわよ!」
何事かと振り向けば、スタッフとリンダさんがステファニーさんを呼んでいた。
そうか、ステージの準備があるのか……。
これだけ大変なことがあったのに、中止にならないんだな。
二人の呼ぶ声を聞き、ステファニーさんが慌て出す。
「はーい! 私、もう行かないと」
「分かりました。ステージ、頑張ってくださいね」
この街へ来たのは、今日のメインイベントが目的の一つだった。
今から楽しみである。
「ありがとう! モンスターもなんとかなったし、目一杯歌うね!」
「私も、楽しみにしてる」
意気込みを語るステファニーさんに、フローラさんが笑顔を向ける。
「何言ってるんですか、先輩も来て下さい!」
ステファニーさんはいたずらっぽい笑みを浮かべると、フローラさんの手を引いて走り出した。
「え、ちょっと……」
フローラさんは状況が受け入れられないままに、ステファニーさんの後に続く。
二人は舞台の方へ駆けて行った。
『行っちゃったね』
ミミはバイバイと手を振りながら言った。
「うん。それじゃあ、俺たちは祭りを楽しもうか」
モンスターも倒したし、これでトラブルは全て解決した。
祭りも続行されるようだし、思う存分楽しむとしよう。
『ご飯だね!』
俺の言葉に、ミミがルンルンと鼻歌を交えて楽しそうに言う。
「舞台まで時間があるし、色々見て回ろうか。お店が開いてるといいんだけどな」
今起きた騒動で閉まっているかもしれない。
祭りはどうなっているんだろう。
『いい匂いのするところから行くの!』
ミミは俺の手を強く引き、少しでも早く出店があるエリアへ向かおうとする。
「はいはい。そんなに引っ張らなくても、ちゃんと順番に回るからね」
俺はミミに手を引かれながら、その場を後にした。
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