404 フローラさんからとんでもないことを頼まれて!?
オーロラが展開されている近辺に辿り着くと、漁船がちらほらと見える。
が、モンスターの影はなし。
どうやらうまく対処できたみたいだ……。
あれだけの数を倒すなんて凄いな。
砂浜に上がると、俺を待っていたミミがこちらへ駆けてきた。
『マスター! お帰りなさい!』
「ただいま。歌とキンモクセイで大活躍だったね。みんなを守ってくれてありがとう」
俺は駆け寄ってきたミミを抱き上げると、わしわしと頭を撫でた。
ミミの頑張りのお蔭で、街の被害は最小限に食い止められた。
大きな被害が出なかったのは、ミミの功績が大きいと言っても過言ではない。
『うふふ、マスターもおっきいモンスターを倒してたね!』
ミミが両手を目一杯広げ、大きさを表現する。
「うん、あのタコはなかなか手強かったけど、なんとかなったよ」
海中や空中での戦闘は本当にやり辛い。
今回はミミの掩護もなかったし、危なかったよな。
「ここからでははっきり見えなかったですけど……。やっぱり、倒したんですね」
俺とミミが話していると、フローラさんが現れた。
「フローラさん、歌えるようになったんですね」
カオスオクトパスとの戦闘中、ステファニーさんと合わせた歌声がはっきりと聞こえた。
「なんとかね。以前の感じには程遠いけど」
フローラさんは照れくさそうに笑顔を浮かべながら手を後頭部に当てた。
笑顔のフローラさんは声が詰まらず、滑らかに話せていた。
「そんなことないです! 素晴らしい歌でした!」
以前の歌は聴いたことが無い。
だけど、今聞いた歌は素晴らしかった。
聞いていると活力が湧いてくるような力強さを感じた。
何より、歌えるようになったことが喜ばしい。
「あ、ありがとう……」
フローラさんは頬を赤らめ、俯いた。
「これなら朝の歌もいずれいけそうですね」
「そうね。徐々に慣らしていけば、なんとかなると思う」
俺の言葉にフローラさんが頷く。
その表情に弱々しさはなく、力強い自信のようなものが感じ取れる。
どうやら、発声に対する忌避感が随分と薄れたようだ。
「やったー! 先輩の歌がまた聞ける!」
いつから居たのか、俺たちの輪に交じってステファニーさんが飛び跳ねて喜んでいた。
彼女は本当にフローラさんのことを慕っているんだな。
『やったー!』
ステファニーさんに釣られて、一緒に飛び跳ねるミミを見てほっこり。
とても穏やかな空気になったところで、フローラさんが話しかけてきた。
「まるもっちーさん、折り入ってお願いがあるんですが」
そう言ったフローラさんの表情は、とても真剣なものだった。
「何でしょう?」
「鉄級の昇格試験の相手になってほしいんです」
「え、俺がですか?」
「まるもっちーさんは最近金級になりましたよね。だから試験の相手をお願いしたくて」
「止めておいた方がいいと思いますよ?」
昇級した際、ギルドマスターから模擬戦について色々言われた。
相手が死ぬ、とまで言われたのでよく覚えている。
「今、この街にいる金級冒険者はまるもっちーさんだけなんです。お願いします」
フローラさんは頭を深く下げ、頼み込んできた。
「祭りで人が来ていますし、金級の人もきっと居ますよ」
ギルドマスターストップがかかるような俺をわざわざ指名しなくとも、きっとなんとかなると思う。
「それは難しいと思うよ?」
と、ステファニーさんが割り込んできた。
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