403 突然現れた存在に不意打ちを受け、とんでもないことに!?
ここまで使用し、謎の加速方法の正体に気づく。
体が動く瞬間、魔力の流れを感じたのだ。
俺が使える魔法は無属性魔法のみ。
つまり、背中から無属性魔法を撃ったというわけだ。
とても単純な答え。
なんとかカオスオクトパスを押し返そうと、がむしゃらに動いていたら、新しい発動方法を編み出してしまったのだ。
だが、無意識に行ったことのため、中々答えにたどり着けなかった。
しかし、全てが分かった今なら自在に扱える。
俺は空中で足裏から小規模な無属性魔法を連発。
落下しそうになったら上に上がって、高度を維持し続け、カオスオクトパスへ向けて石を投げ続けた。
投石を嫌がったカオスオクトパスは逃げるように潜行。
すかさず俺も後を追い、海に飛び込む。
海中でも自在に無属性魔法を発動して加速を重ね、カオスオクトパスの動きを凌駕する。
最後はカオスオクトパスの懐に潜り込み、アッパーをかます。
インパクトの瞬間、上方へ上がる勢いを強めるため、無属性魔法を足裏から発動。
拳はカオスオクトパスの体に深々とめり込み、その巨体を海上へ押し上げた。
俺は空中を舞うカオスオクトパスに無属性魔法ジャンプで併走。更に追撃を仕掛ける。
何度か拳を叩き込んだ後、最後に思い切り蹴り上げた。
蹴りを受けたカオスオクトパスは、空中で自由を失ったまま高々と上昇。
完全に無防備な状態を晒す。
俺は無属性魔法ジャンプを停止し、魔力を練った。
落下しながら、右腕に魔力を集め、一気に解き放つ。
「行くぞ……。も ち も ち 波―ッ!!!」
俺の右手から強烈な光が溢れ、カオスオクトパスに直撃する。
光の中に囚われたカオスオクトパスは次第に色を失い、完全に消滅した。
「よし、やったぞ!」
そう言った瞬間、ドボンと海に着水。
落下の勢いが凄かったため、かなり深く沈んでしまう。
海上に上がろうとしていると、背後で何かが光る気配を感じた。
『また、貴方なのね〜』
『もう驚かないぞ』
この世の者とは思えないほど美しい声が聞こえたと思ったら、後ろに女神様たちが居た。
二人は海の中なのに、ダルそうに寝そべっていた。
威厳も何もあったものじゃないな。
「どうも、お久しぶりです」
『だから、何度も会う方がおかしいって言ってるでしょ〜』
『全く。バーゲンセールじゃないんだからな』
途轍もなくやる気が無さそうな声で、俺の挨拶をあしらう女神様。
「す、すみません。でも、魔殿濁って、こんなに出るものなんでしょうか」
『何言ってるのよ。貴方から探しに行こうとしてるじゃない〜』
『それで数が多いと言われても、困るぞ』
「そういえばそうでした」
探知機まで作って探しているのに、よく遭遇すると言うのもおかしな話だ。
これでは因縁をつけているようなものだな。
『言ったでしょ。この世界は物騒だって。まあ、それにしても今年は当たり年だとは思うけどね』
『この何百年かほとんど出ていなかったのが、溜まりに溜まって一気に放出されている感じではある。ちなみに、今回のカオスオクトパスは以前海上に出来た魔力の渦が原因だな』
「そんな事に……」
ブラックドラゴンとヘルセンチビートルは封印されていた個体。
そう考えると近年で発生して接触した個体はダークフェニックスと今戦ったカオスオクトパスだけ。
とても一気に放出されたと表現されるような数ではない。
ということは、これからも頻繁に接触する可能性が高いということか。
『この感じだと、また近いうちに会うだろうし、もう行くわね〜』
『あんまり無茶するんじゃねえぞ』
女神様たちは寝そべったまま手を振ると、あっさりと消えてしまった。
ざ、雑すぎる……。
余韻もへったくれもあったものじゃないな。
だが今は余韻がどうこう言っている場合じゃない。
「街が心配だ……。戻ろう」
女神様たちと別れた俺は、泳いで街へ戻った。
オーロラが展開されている近辺に辿り着くと、漁船がちらほらと見える。
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