402 とんでもない技を編み出し窮地を脱する!?
途端、歌唱台から出た音に色が付き、オーロラとなっていく。
…………
このままでは街に危険が及ぶ。
とにかく、カオスオクトパスの方だけでも街から遠ざけないと。
俺は素早くアイテムボックスからボートを取り出して、飛び乗った。
「お餅モチモチまるもっちー!」
そして、決めポーズとともに高らかに名乗魔法を発動。
全能力の底上げを図る。
力が全身に漲ったのを感じ取ると海へ飛び込み、バタ足でカオスオクトパスへ突撃した。
カオスオクトパスに体当たりをかまし、そのまま街から離れるように押していく。
俺の体当たりを受け、カオスオクトパスも抵抗してきたが無駄だ。
名乗魔法を使った今なら、力でゴリ押し出来る。
「おりゃあああああ!」
俺はカオスオクトパスを押し返し、街から引き離すように泳いだ。
すると、背後から大きな音が聞こえた。
泳ぎながら振り向けば、海岸沿いに大量の木が生えて花が散っていくのが見えた。
散った花びらが意思を持ったかのように動き、モンスターの群れへ殺到する。
「……これは、ミミか!」
視線を彷徨わせると、両手をかざしたミミの姿を見つける。
これは助かった……。
だが、花の攻撃に対してモンスターの数が多すぎる。
花びらは海中の敵に対して思うような効果が出ず、苦戦しているようにも見えた。
そこに歌声が聞こえてくる。
歌声が大きくなるにつれ、オーロラが発生。
砂浜に上がろうとしていたモンスターを押し返していく。
漁船も集い、攻撃と防御がしっかりとしたものへ変化していっているように見えた。
「う……」
あまりによそ見しすぎていたせいで、タコ足の攻撃を受けてしまう。
組み付いていた手が離れ、カオスオクトパスが自由になり、大量の足で攻撃を仕掛けてきた。
俺は迫り来る足を手で弾き、攻撃を凌ぐ。
カオスオクトパスは攻撃を仕掛けながら、前進を開始。
俺もろとも、もう一度オーロラに衝突するつもりだ。
もしそうなってしまえば、今度は漁船にまで被害が出てしまう。
ここでなんとかカオスオクトパスを食い止めないと……。
しかし、タコ足の攻撃が執拗で、バタ足を使って前に進むことが出来ない。
なんとか相手の攻撃を凌ぎつつ、前に進みたいのに……。
そう思った瞬間、背を押されるような感覚と共に体が勝手に前に進んだ。
「な、なんで?」
バタ足すらしていないのに、どうなっているんだ?
――そういえば、同じようなことがヤドカリ戦でもあった。
どういう理由で前に進んだかが分からないが、今は戦闘に集中だ。
俺は前に進んだ機会を逃がさず、カオスオクトパスを掴む。
そしてそのままバタ足を開始。
思い切り足を動かし、街から遠ざけるようにして泳ぎまくる。
カオスオクトパスは俺を引き剥がそうと、足を近づけてきた。
俺を掴む前に、一発喰らわせてやる!
「もちもち波!」
バタ足中なので集中して魔力を練ることは出来なかったが、ゼロ距離で魔法を発動する。
俺の右手から力が解き放たれ、カオスオクトパスを後方へと大きく吹き飛ばした。
衝撃を受けたカオスオクトパスは無防備な姿勢で吹っ飛んでいく。
「散々体当たりしてくれたな。今度は俺の番だ!」
俺は吹っ飛ぶカオスオクトパスを全力バタ足で追走。追いついて再度体当たりをかます。
「あれ?」
体当たりが接触した瞬間、そこからさらに加速した。
それは意図していないものだった。バタ足を強めたわけでもないのに、急に速くなったのだ。
その時、前と同じように背を押される感覚があった。
「こんな感じだったか……?」
感覚を思い出し、体当たりをしながら再現を図る。
すると、ニトロで加速したように一瞬だけ速度が上昇した。
よし、全く理屈は分からないが、コツは掴めてきたぞ。
とここにきて、自身の劣勢を理解したのか、カオスオクトパスが墨を吐いた。
途端、辺りが暗闇に包まれる。
この後はお決まりの全方位攻撃が来るに違いない。
その予想通り、背後から複数の足が高速で迫って来た。
しかし、今の俺なら対応できる!
ついさっきコツを掴んだ方法を使い、上方へ加速。
まったく手足を動かしていないのに、俺の体が海面から飛び出す。
足場も無いのにジャンプしたようなものだ。
「これは魔法だ……」
ここまで使用し、謎の加速方法の正体に気づく。
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