表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

400/415

400 フローラは立ち向かう 2

 

 街に向けて、とんでもない数のモンスターが押し寄せているのが見えたのだ。



「このままだと、被害が……」


 オーロラが破壊され、街は無防備な状態を晒している。


 あんな数のモンスターが上陸してきたら一溜りもない。


 遠くない未来を想像して硬直していると、歌が再開される。


 どうやら舞台から歌っているようだ。


 増幅された歌がオーロラとなり、押し寄せるモンスターをせき止めた。


 オーロラは先程より強力なもので、モンスターの侵入を阻むだけでなく、後退させることに成功していた。


 これなら時間を稼げる。


 その間に冒険者がモンスターを倒せば被害が出るのを防げる。


 迅速な対応にほっと息をついた次の瞬間、とんでもないことが起きた。


 巨大な黒い島のようなものが突進してきて、オーロラを破壊したのだ。


「え……」


 あまりの出来事に言葉が出てこない。


 あれは一体何なのだ……。


 その疑問は、あっさり解消されてしまう。


 島と思ったものが浮上し、姿を現したからだ。


 それは巨大で真っ黒なタコだった。


 あんなものが上陸すれば、街は壊滅してしまう。


 そう思ったのはモンスターを倒しに再度海に出た冒険者も同じだったようだ。


 船を停め、進むか逃げるか判断できなくなっているようだった。


 皆が呆然とタコを見つめる中、声が聞こえた。


 それはまるもっちーさんの声だった。


 聞こえた声を頼りに姿を探すと、ボートの上でポーズを取る姿が見えた。


 声を上げた瞬間、まるもっちーさんの全身が淡く光る。


 彼は海に飛び込むと、タコに体当たりをし、押し返し始めたのだ。


「なんて力なの……。あんな巨大なモンスターを……」


 まるもっちーさんがタコを押し、じわじわと街から遠ざけていく。


「ああ! モンスターが!」


 タコの動きは止まったが、オーロラが破壊されたせいで、モンスターの群れが街に向かい始めた。


 次の瞬間、岸のいたるところから大木が生え、花が咲き乱れた。


 その花が一瞬で散り、花びらが竜巻となってが海へ向かい、モンスターを倒し始めたのだ。


「何がどうなっているの?」


 日常からかけ離れた出来事が連続し、理解が追いつかない。


 花びらの嵐は善戦していたが、モンスターの数が多すぎた。


 撃ちもらしたモンスターが、じわじわと街へ近づいてくる。


 冒険者が乗った船も応戦していたが、モンスターの散り方が広範囲になり、対応が追いついていない。


 そんな中、歌が再開されるも、威力が落ちていてうまく機能していなかった。


 これではオーロラを展開する事は出来ないだろう。


 どうして上手くいっていないのだろうと、ステージに視線をやればステファニーちゃんが一人で歌っていた。


 きっとさっきまではミミちゃんと二人で歌っていたはずだ。


 それが一人になったから、威力が足りていないのだ。


「フローラ!?」


 背後から急に名を呼ばれて振り向けば、リンダさんが驚きの表情で立っていた。


 私を見つけたリンダさんはこちらへ駆け寄って来る。


「お願い、ステファニーを助けてあげて! 歌が届かないみたいなのよ!」


 立ち尽くして事の成り行きを見ていた私に、リンダさんが切羽詰った表情で迫ってくる。


 こちらの様子に気付いたスタッフのジョーンズさんも駆け寄って来た。


「モンスターの数が多すぎて、どうにもならないみたいだ! 頼む、フローラちゃん!」


 二人の言葉を聞いた私は、返事をする間も惜しんで駆け出していた。


 視界には必死で歌うステファニーちゃんの姿しか映っていない。


 何とかして助けないと!


 …………


 私、ステファニーは、焦っていた。


 一人で歌ってもうまくいかず、焦燥が募る。


 このままではダメ……。


 やっぱり一人だと押し返せない。


 歌いながら私はそんなことを考えていた。


 二人以上で歌わなければ、オーロラを発生させることはできない。


 この状況でいくら歌おうと、モンスターの接近を妨げることは難しかった。


 このまま歌い続けても意味が無い。もう歌うのをやめるべきか……。


 そう諦めかけた瞬間――


「私も歌うわ」


 ――隣に先輩が立った。





 本作品を読んでいただき、ありがとうございます!


 面白い、続きが読みたいと思っていただけたなら、

 広告の下のブックマークの登録、

 ポイント投入欄を☆☆☆☆から★★★★★にしていただけると、作者の励みになります!


 よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

   

新連載は、こちらから読めます!

   

   

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ