399 フローラは立ち向かう
なにあれ……、すごい……。
竜巻から大波へと変化した花びらは、迫るモンスターを次々と退け、倒していく。
しかしよく見ると、海面に接触するたびに花びらの数が減っていっていることが分かった。
どうやら、海水を吸って空中に浮けなくなってしまっているようだ。
動く花びらは次第に数を減らし、最後は全て海面に浮いて動かなくなってしまう。
しかし、空中を舞う花びらが無くなると、ミミちゃんがすかさず新しい木を生やした。
新たな木から花びらを作り出し、モンスターを退治していく。
が、モンスターの数の方が圧倒的に多い。
花びらが途中で使えなくなるせいもあってか、中々数が減ってくれない。
モンスターは数を減らしながらも前進を続け、生き残った個体が街との距離を確実に縮めていく。
このままではいずれ侵入を許してしまう。
そうなる前にモンスターを押し返さないと……。
…………
私、フローラは、冒険者ギルドを訪れていた。
依頼を見にギルドへ来たのだが、妙に騒がしい。
ギルドに入る前に見たオーロラの魔法と何か関係があるのだろうか。
皆、落ち着きがない感じでそわそわしている。
何事だろうと周囲の様子を窺えば、避難という言葉がそこかしこから聞こえてきた。
気になった私は側にいた冒険者に尋ねた。
「どうしたんですか?」
少ない言葉だったが、とてもスムーズに発声できた。
最近は随分と詰まらずに話せるようになってきた。
この数日、ずっと練習をしてきた成果が出たようだ。
そんな小さな達成感を感じながら、話し出そうとした冒険者の方を見る。
「海でモンスターの群れが出たんだ! 絶対に海の方へ行くんじゃないぞ!」
冒険者は興奮した様子でまくしたてた。
「まるもっちーさんがあれだけ倒していたのに?」
驚きよりも、疑問の言葉が先に出た。
私も手伝いをしたが、相当な数のモンスターを倒した。
偶然に数匹くらい遭遇する事はあるかもしれないが、群れで現れたなんてとても信じられなかった。
「なんのことを言ってるか知らんが、街に押し寄せる勢いなんだ。とにかく近づくなよ!」
冒険者はそう言うと、慌てた様子でギルドから出て行った。
周囲を見渡せば、他の冒険者たちも次々とギルドから飛び出して行く。
多分、ランク指定で応援要請が出ているのだ。
皆、海に向かったに違いない。
数分と経たない内に、ギルド内が無人に等しくなる。
どうやら、かなり危険な状況のようだ。
私にも何かできることはないかと思い、受付へ向かう。
しかし、何もない、何もするなと言われてしまう。
私のランクでは足手まといになるらしく、騒動が鎮静化するまで大人しくしているようにとアドバイスを受けてしまった。
まるもっちーさんと行動を共にした結果、私もかなり力をつけたと思う。
だけど、未だランクは鉄級のまま。
ギルドが実力不足と判断するのも仕方なかった。
こんなことなら、昇級試験を受けておくべきだった……。
無力さを感じながらギルドを出ると、街は騒然となっていた。
人が縦横無尽に入り乱れ、走り回っている。
きっと、どこへ逃げればいいか分からないのだ。
人々が混乱する様を呆然と見つめていると、街の周囲を覆っていたオーロラが消えていることに気付く。
――一体いつから消えていたのだろう。
「魔法の効果が切れた?」
もともとあの魔法には、オーロラを展開するような効果はない。
きっと無理をして威力を高めていたに違いない。
そんな状態を長時間維持できるはずも無く、あっという間に効果が切れてしまったのだ。
気になって灯台に視線を向けると、窓から飛び出す二つの人影が見えた。
進行方向から察するに、祭りのステージへ向かっているようだった。
何が起きているのか事の詳細を掴みたかった私は、自然とステージへ向かっていた
「なんてこと……」
海に近づき、事の重大さに気付く
街に向けて、とんでもない数のモンスターが押し寄せているのが見えたのだ。
本作品を読んでいただき、ありがとうございます!
面白い、続きが読みたいと思っていただけたなら、
広告の下のブックマークの登録、
ポイント投入欄を☆☆☆☆から★★★★★にしていただけると、作者の励みになります!
よろしくお願いします!




