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396 ステファニーは一部始終を目撃する 2

 

「そうだ! ステージで歌えば……!」



 祭り用に設営された特設ステージ。あそこの装置を使えばいい。


 灯台より小規模な装置だが、今は逆にそれがいい。


 あれなら音響装置が向いている方向にしか効果を増幅できない。


 海に近いし、モンスターとの距離が縮まれば魔法が届くまでに発生する威力の減衰も抑えられる。


「ミミちゃん、一緒に来て! 舞台で歌うの! あっちの方が海から近いわ!」


 私の言葉を聞いて理解してくれたのか、ミミちゃんがコクリと頷く。


「急がないと……。って、ええ?」


 慌ててエレベーターに乗り込もうとすると、ミミちゃんが私をひょいと持ち上げた。


 急いで海に行かなければいけないのに、これじゃあ身動きが取れない。


 というか、なんで持ち上げられるの?


 ミミちゃんって凄く小さいのに……。


「ミミちゃん、降ろして。今は遊んでいる場合じゃないの」


 私の言葉を聞いても、ミミちゃんは降ろしてくれない。


 何度も頷いてくれているが、言葉が伝わっていないのだろうか。


「早く舞台に行かないとぉおおおおおおお!?」


 それどころか私を抱えたまま窓の方へ走り出した。


 そして――


 窓から飛び降りてしまった……。


「きゃあああ!!」


 余りの出来事に直面し、無意識に悲鳴が出てしまう。


 ミミちゃんはこちらのことなど気にせず、灯台の壁を蹴った。


 途端、下方向へ落下していたのが、横方向への跳躍に変化する。


 これって、さっきまるもっちーがやっていたのと一緒だ。


 まるで空でも飛んでいるかのような気分を味わっていると、一気に海が近づいてくる。


 あっという間に着いちゃったな、などと現実逃避気味に考えている間にミミちゃんが着地。


 私を抱えたまま、ステージへ向けて駆け出した。


 その速度は凄まじく、あれよあれよという間に、祭りの特設ステージに到着してしまう。


 ステージに着くと、ミミちゃんがそっと私を地面に降ろした


「あ、ありがとう」


 そうお礼を言うと、ミミちゃんがニッコリ笑う。


 ミミちゃんの笑顔を見ていると、ついほっこりしてしまうが、今は急がないと。


 私がマイクスタンドに向かうのと同時に、リンダさんがこちらへ駆けつけた。


「なんで来たの!? ここは危ないわ! 早く避難しないと」


 リンダさん自身も相当混乱しているのか、普段は見せないような表情で身ぶり手振りを交えながら危険を説明してくれる。


 舞台で騒いでいるのが聞こえたのか、他のスタッフも側に集まり出した。


「ここで歌うの! 灯台よりこっちの方が海に近いから、魔法の効果も高まるはず」


 私は海の方を指差しながら、自分の考えを早口でまくし立てた。


「調整は済んでいるから使用できるけど……」


 私の説明を聞き、リンダさんが腕を組んで考え込む。


「灯台の歌唱台だと街全体に効果が及ぶ分、威力が分散するからな……」


「そうか、舞台の装置を使えば、威力を集中させることができるわけか」


 と、他のスタッフが私の考えを察してくれる。


「どの道、今から灯台に戻っていたら間に合わない。このままじゃ街に被害が及ぶかもしれないの! お願い、協力して!」


「……分かった。皆、準備して! ステファニーとミミちゃんは舞台に! いつでも歌えるようにしておいて」


 一瞬の沈黙の後、リンダさんが皆に指示を飛ばす。


「任せろ!」


「すぐに使えるようにする!」


 それを聞き、避難しようとしていたスタッフたちが配置に付く。


「行こう!」


 私はミミちゃんの手を引き、マイクスタンドの側へ。


「準備できたわ! いつでもいいわよ!」


 私たちがマイクを握った瞬間、リンダさんが合図を送ってくれる。


 もっと時間がかかると思っていたのに、さすがだ。


「ありがとう! ミミちゃん、行くよ!」


 と、私がリードして歌い始める。


 するとミミちゃんが続いて合わせてくれる。


 歌が綺麗にシンクロした瞬間、魔法が発動し歌唱台から虹色の波が発生した。


 波は海へ向かって進むにつれオーロラの形へと変化し、モンスターを阻む障壁となった。


 海上で展開されたオーロラが街に侵入しようとしていたモンスターを押し返す。


「……やった! モンスターを押し返している!」


 魔法の効果を見たリンダさんが喜びの声を上げる。


 私が初めに考えた目論見通り、モンスターの侵入を阻むだけでなく、押し返すことができた。


 オーロラでモンスターの群れをせき止め、一気に街から引き離していく。


「よっしゃー!」


「うまくいったぞー!」


 他のスタッフたちの歓声も聞こえてきた。


 よかった、これでしばらくは耐えられる。


 今の内になんとかモンスターを倒せば、街への被害は抑えられる。


 と、思った次の瞬間――


「え、何……、あれ?」





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