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389 祭りを堪能していたら、まさかの事態に!?

 

 人通りが少ないところまで移動し、綿菓子をミミに渡す。



『わあ! 雲みたいだね!』


 受け取ったミミは綿菓子を珍しそうに見つめた。


「そうだね〜。この見た目が面白いよな」


 と、言いながら綿菓子をひと口頬張る。


 なんとも懐かしい味だ。こうやって食べるのも子供の時以来ではないだろうか。


 俺は祭りに行くと、焼きそばやたこ焼きのようなガッツリしたものばかり食べていたので、こういった系等に手を出すのは本当に久しぶりだった。


『甘いね! ミミ、ポテトチップの味がすると思っていたの』


「そういえば、そんな夢を見ていたっけ」


 ミミの独特な感想を聞き、雲を食べる夢の話を聞いたことを思い出す。


 どうやら今回の一件で、雲の味が上書き更新されたようだ。


『甘くて美味しいね』


 笑顔のミミは、綿菓子をゆっくりと味わっていた。


 ふふふ、美味しいのは綿菓子だけじゃないんだぜ……。


 食べ終わったら、出店めぐりを再開するか。


 その後、海鮮塩焼きそば、サザエのつぼ焼きと和風テイストのものを頂き、俺は満腹に。


 ミミはそれらに加えて海鮮ピザ、貝料理を追加。


 なかなかのボリュームであったが、ペロリと平らげてしまう。


 お腹を満たした後は、特設ステージへ。


 今日の演目はダンスショーだった。


 ナウテットの街から来たというダンサーグループが、音楽に合わせて軽快に踊る。


 こちらの世界に来て初めて見るダンスはお祭り仕様ということもあり、賑やかで楽しい気分にさせてくれるものだった。


 ミミもダンスが気に入ったようで、帰り道はずっと真似をして踊っていたくらいである。


 そして、お祭り二日目。


 二日目は食べ物以外の出店も見て回った。


 祭りというだけあって、遊戯系のお店も結構出ていたのだ。


 ふと立ち止まったのは、輪投げのお店。


 輪っかを投げて景品にはめると貰える、お馴染みのルールだ。


「へえ、輪投げか」


 シンプルな出し物だから、異世界でもあるんだな。


 などと一人納得。


 逆に金魚すくいや、型抜きみたいな特殊な奴は見当たらない。


『輪っかを投げてるの』


 ミミは子供達が遊ぶ姿を興味深そうに眺めていた。


 従魔のミミもやらせてもらえるかな。


 ちょっと、聞いてみるか。


「すみません、この子も遊べますか?」


「金を払って、ルールを守って遊んでくれるならいいよ」


「ありがとうございます。それじゃあ、一回お願いします」


 店主にOKを貰ったので、お金を払う。


「まいど」


「ミミ、これは輪投げと言うんだ。この輪を投げて、あそこの品に入れる遊びだよ」


 と、簡単にルールを説明しながら、四つの輪っかを渡す。


 このお店はワンプレイで四回投げられるみたいだ。


『どれに入れてもいいの?』


 輪っかを受け取ったミミは、ワクワクした表情で並べられた景品を順に見ていく。


「そうだよ。うまく輪っかが入れば、その品がもらえるんだ。強く投げて壊したらダメだよ」


『うん、やってみる! 色々あるの……』


 どの品を狙うか迷っているようだ。


『あれにするの!』


 そう言って狙ったのは犬の置物だ。


 えい、と投げた輪っかは微妙に外れてしまう。


 二投目は置物に当たるも、輪が入ることはなかった。


 三投目は力んだのか、大きく外れてしまう。


 そして、最後の四投目。ミミは真剣な表情で構え、ゆっくりとした動作で輪っかと投げた。


 投げられた輪っかの軌道を食い入るように見つめる俺とミミ。


 輪っかは安定した回転を維持したまま、見事に犬の置物にはまった。


『やったの!』


 余程嬉しかったのか、ミミはぴょんぴょんと飛び跳ねていた。


「はーい、おめでとう」


 店主が犬の置物を取り、ミミに差し出してくれる。


『ありがとうなの』


 ミミはペコリとお辞儀をして、置物を受け取った。


 ちゃんとお礼が言えて偉いねと、頭を撫でる。


 ミミは犬の置物を取れたことが相当嬉しかったのか、満面の笑顔で大事そうに抱きかかえていた。


「俺もやってみようかな」


 ちょっと懐かしさを覚え、無性にプレイしたくなる。


「ダメダメ、こいつは子供向けなんだよ」


「く、残念」


 が、年齢制限があるらしく、店主から拒否されてしまう。


 ……無念だ。


 その後、散策を再開。





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